平凡社新書<br> 通じない日本語

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平凡社新書
通じない日本語

  • 著者名:窪薗晴夫
  • 価格 ¥682(本体¥620)
  • 平凡社(2017/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784582858617

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内容説明

日本語には、まだまだ知っていそうで知らない不思議がある。世代差と地域差を軸に、他の言語との比較も交えながら、日本語の「通じなさ」を面白おかしく紹介する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

saga

74
多様な日本語の不思議さを理解できる良書。初めは世代間ギャップが生まれやすい略語や、知る人ぞ知る業界用語の考察。モーラという単位が鍵となって、規則性のある略語が生まれることが分かる。世代間で日本語が通じなくなるのは、元の言葉を類推できないからということか。後半は方言に関する考察。私の故郷は太平洋側の港町で、漁師の往来から東北から関西の言葉が地元の言葉に取り入れられ、そこに江戸言葉も入る、なかなか面白い土地柄。そうは言っても標準語圏なので、関西や著者の出身地・鹿児島との方言の比較は面白い。2021/04/12

へくとぱすかる

50
今まで読んだ本にない内容が多く、他の本では解決できなかった日本語の疑問点を解いてくれた、かゆいところに手が届く日本語論。世代間の問題では、デジカメを例に取り上げる。こんなところにも誤解の種が潜んでいるのか、と。方言では、特有の語彙よりも、アクセントやイントネーションの問題が深刻だと感じた。知らなかったことばかり。鹿児島出身の筆者だからこそ書けた1冊。2017/12/19

ホークス

40
法則や仕組みに着目した言語論。略語は普通、意味が判るよう語頭を残して作るが、部外者に知られたくない符丁は語尾を残す(使い走り→パシリ、刑務所→ムショ、麻薬→ヤク)。俳句や短歌の基調が五・七でなく八(休符含む)なのも、日本の歌が四又はニ拍子なのも、稲作文化のリズム(二の倍数)が元にある。アクセントの宝庫とされる日本語の仕組みは特に興味深い。言葉はコミュニティ間を伝播して様々に変異し、ネットを通じて国境も超えて行く。自分がネイティブとする言葉や文化に対し、愛しながら自由である方法を問われている様に思う。2018/01/02

16
促音(っ)や撥音(ん)、伸ばす音を含むモーラを〈長〉、それ以外を〈短〉とするといろいろなことが見えてくる。例えば赤ちゃん言葉の語頭は〈長〉が多い。また、外来語の促音挿入現象から、日本語が語末に〈長短〉という構造を作り出すことを目指しているとの指摘には感心した(例えばdock(ドック)とdoctor(ドクター)の違い)。その他、①語頭を濁音にすることで悪い意味を持たせるパターン(ダマ、ボケ等)②チャックは巾着から派生した語であって、外来語ではないこと等が印象に残った。後半は通じない鹿児島弁の話。2021/07/16

トムトム

15
私も若い子の言葉に「それは、どういう意味の言葉ですか?」と尋ねることがあります。世代と土地、地域によって独自の言語があるのだなとフムフム。名古屋の「ケッタマシン」、ご存知ですか?名古屋人に聞いたら普通に知っていて驚きました。ちなみに自転車のことです。蹴ったマシン?2024/08/20

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