避けられたかもしれない戦争―21世紀の紛争と平和

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避けられたかもしれない戦争―21世紀の紛争と平和

  • ISBN:9784492444450

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内容説明

国連の平和維持活動局の事務次長として、数々の紛争への介入に
立ち会ったフランス人著者による回顧録。

・なぜ世界の紛争は終わらないのか?
・紛争地域で政治体制を整えるのはなぜ難しいのか?
・紛争終結に向けた国連や各国の試みはなぜうまく行かないのか?
・大国の横暴がいかに紛争地域にダメージを与えているのか?
・紛争介入の舞台裏で、どのような政治的駆け引きが行われているのか?
・テロリズムの台頭は、PKOにどのような影響を及しているのか?
・国連は、21世紀にもその役割を果たしうるのか?
・国連はこれからどう変わらなくてはいけないのか?

日本人が知ろうとしなかった世界の紛争の舞台裏がみえる本。

第二次世界大戦の反省のもと、国際平和と安全の維持、国際問題の解決を目指したはずの国連は、
各国のエゴイズムの前にただ翻弄される存在となりつつある。

その時々で自国の面子のために動くアメリカ、それに異を唱えるフランス、
アメリカ追随のイギリス、本心を見せないロシアと中国……。

対する、国際社会の思惑に左右される紛争当事国アフガニスタン、イラク、グルジア、
コートジボワール、コンゴ、スーダン、レバノン、コソボ、ハイチ、シリア。

新たな脅威としてのテロリズムの台頭。

国連設立の時代とは大きく変わり、従来の秩序では対処しきれない脅威にも
唯一無二の存在として国連がその使命を果たすためには、どのような道があるのか。

変わろうとする国連の姿は、将来国際公務員を目指す若者に希望を与える。

憲法9条改正の議論、緊迫化する米朝関係、不透明感を増す日本の安全保障の現実を直視するなら、
もう無関心ではいられない。これからの世界のなかでの日本を考えるための必読の書。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

活字の旅遊人

43
アフガニスタン、イラク、グルジア(ジョージア)、コートジボアール、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、スーダン、レバノン、コソボ、ハイチ、シリア。フランス人の著者が平和維持活動事務局次長として関わったプロジェクトの詳細な回顧録。国連とその職員のジレンマも含めながらその問題を書く。どのプロジェクトも問題になる構造は似ていて、やっぱり西洋的価値をある意味「強制」してしまうことが、どうしてもなあ。例えば選挙だって、それを厳粛に運営させたとしても、結果を受け入れる土壌がなければ徒労なんだよな。今目の前にある件も……。2023/05/03

BLACK無糖好き

20
2000-08年に国連平和維持活動担当事務次長を担ったフランス人官僚の回顧録。アフガニスタン、イラク、スーダン、レバノン他の紛争地への国連の取り組みを詳細に著述。安保理常任理事国との利害対立など、理想と現実の狭間での葛藤が中心。従来の国際安全保障は、権力を乱用する可能性のある国家の行為を抑制することに重点が置かれてきたが、脆弱な国家がテロ組織の隠れ家となる可能性や内戦が近隣諸国の情勢を不安定化するなど、国際安全保障の概念に変化が起きている。変化に対応するための安保理の改革も必要なのだが、現実は・・・2019/03/24

funuu

12
国連の平和維持活動局の事務次長として、数々の紛争への介入に 立ち会ったフランス人著者による回顧録。 日本人の持つ国連信仰がいかに幻想かがよくわかる名著。たぶんここに書かれている国連の実態は日本の外務省や外交官、新聞の特派員、NHKの特派員は知っているが報道しない。順位国名 分担金額(米ドル) 1 アメリカ合衆国(米国)5億9140万 2 日本 2億3530万 3 中華人民共和国(中国 1億9250万 4 ドイツ1億5530万 5 フランス 1億1810万 国連内の日本の存在感はない海外派兵ができないから 2018/10/29

Masako3

5
★☆☆ PKO担当事務次長として八年務めた著者の回顧録。おそらく翻訳のせいではなく、その主観的視点の語り口でとても読みにくい。通読した感想は、このタイトルが反語になっていたということだ。国連に期待する弱者は多く、そしてそれが故に簡単に失望する。国連の背後には資本国がいる。日本人が語る資格はないかもしれないけど。2019/06/11

みみ45

5
世界規模でみると、民族や宗教、過去の歴史に縛られながら紛争や内戦が起きてるんだなああ。。 そして、すっごくしっかりしているように見える国連も、強国間のエゴや思惑に振り回されながら、各国と交渉しながらやりくりしていることに、大変さを実感。平和の霧。。という題名だけど、平和とは、実態のないものに感じてしまうのも無理はないなあ。。。と感じました。2018/02/17

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