明治維新で変わらなかった日本の核心

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明治維新で変わらなかった日本の核心

  • 著者名:猪瀬直樹/磯田道史
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • PHP研究所(2017/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569837109

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内容説明

「日本は明治維新で近代化を果たし、それまでとは一変したと一般的には思われています。しかし、よくよく見ていくと、どうもその見方は表層的なものにも思えてくる。むしろ、江戸時代以前、というよりは古代から連綿と深層を流れてきた『核心』ともいうべき組織原理や権威構造、行動原理などがいまも色濃く影響を及ぼしているのではないか」(猪瀬直樹「はじめに」より) 「いま、読者諸氏に申しあげたい。日本が変化しないときは、時代ごとの死んだ歴史を読んでいても命に別状はない。だが、いま日本人は、これまでの構造が一夜にして変わってしまう世の中に生きている。このようなときは、『通史的思考』をなさねば変化のなかを生きてはゆけない」(磯田道史「おわりに」より) 明治以降、なぜ日本は近代化に成功したのか。それは明治維新で日本が変わったのではなく、成功の要因がすでに江戸時代までの歴史の中で形づくられていたからだ。日本には、古代から変わらない「国の核心」がある。古来、培ってきた組織原理や行動原理、権威に対する考え方などが、今なお日本人に大きな影響を与えている。その「日本的原理」の長所と短所を知らねば、この国で成功をつかむことは難しいし、いかなる変革も望めない。では、「この国の秘密」とは何か?――平安時代から江戸時代まで「通史的思考」で読み解き、日本のあり方に迫る、白熱討論。 【目次】より●第1章 日本の組織原理と権威構造の源泉――古代をたずねる ●第2章 「新しい公」の再編成――鎌倉、室町、戦国のダイナミズム ●第3章 江戸武家社会の組織と個人――サラリーマン根性の始まり ●第4章 二六〇年の泰平を維持した社会システム――「転封」や「ジャンケン国家」の智恵 ●第5章 江戸に花咲いた近代的経済――進んだ経済政策と百姓たちの企業家精神

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tamami

51
2017年刊。元都知事で作家の猪瀬直樹さんと日本史家の磯田道史さんの対談本。古代から近世にかけての社会経済の仕組み、殊に江戸時代のそれに多くの頁を割いて通史的に見る中で、経済における江戸の先進性や現代にまで通じる日本的制度の特質を論じている。お二人によって、歴史の常識を覆す意外な知が次々に披露され、固定された見方の転換を図られる。参勤交代に象徴される江戸の情報ネットワークや流通のすごさ、百姓たちが持っていた企業家精神等、そのよってきたる所を探ることで、これからの日本のあり方にも資するものがありはしないか。2022/04/20

てつ

44
猪瀬さんの上から目線が気になって仕方なかった。とはいえ博識の二人の、読んでて楽しい対談本です。2017/12/17

24
17年。徳洲会事件の絡みで猪瀬が都知事を辞職したのが13年。猪瀬の単著なら読まなかったが、磯田と対談しても話があまり噛み合っていない■急に「ですます」調が「である」調に変わるのも違和感。校正はどうしたのだろう■通史の大切さ。現在につながる重要な論点を含んでいるのだが頭に残らない■それにしても本書によれば、江戸時代の農民の多くは商工業も手掛けるが税がほとんどないのでパラダイスのような印象を受ける。西日本の一部だけのようだが■荻原重秀に関する本は読んだがもっと評価されてよい。相対的に新井白石の評価は下げるべき2022/12/03

ムカルナス

13
日本史を出来事ではなく社会の仕組みという視点で俯瞰する。戦国時代が終わり暇なアーミーとなった江戸幕府は反逆を起こさせないよう生産性は悪いが、年功序列型、世襲主義で忠誠心のみが大事なサラリーマン的武士社会を作り、そのマイナス面が現代に引き継がれ停滞の原因になっている。しかし能力のない者でも平穏に生きれる社会とも言え、また江戸時代は非効率を補完するべく下級層からも優秀な人材を引き上げる実力主義や有能な人材に関する情報ネットワークが機能していた。歴史は視点を変えると まだまだ学べることが多いと思った本だった。2021/11/12

№9

11
好著!2020/02/05

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