幻冬舎単行本<br> 国家とハイエナ

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幻冬舎単行本
国家とハイエナ

  • 著者名:黒木亮【著】
  • 価格 ¥1,969(本体¥1,790)
  • 幻冬舎(2017/12発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344030176

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内容説明

破綻国家の国債を二束三文で買い叩き、欧米で債務国相手に訴訟を起こし、勝訴判決を受けるやタンカーや人工衛星を差し押さえ、投資額の10倍、20倍のリターンをむしり取る「ハイエナ・ファンド」。

狙われた国家は、その強奪的金融手法に対して徹底抗戦しようとするが、権力者たちの既得権益に群がる腐敗体質が手枷足枷となり、なかなか光明を見出せない。

そうしたヘッジファンドのやり口と破綻国家の汚職を防止しようと、国際NGOが動き出した。しかし、肝心のNGOの中からも金に窮してヘッジファンドへ転職するメンバーが出現。

正義と欲望の狭間で、三者はいつしか三つ巴の熾烈な金融バトルを繰り広げ始める。
最後に笑うのは、果たして誰なのか?


「本書に書いてあることはすべて現実に起きたことである。国、企業、団体、政治家、著名アーティストなど、実名になっている箇所や社会的出来事の記述は事実に沿っている」(著者)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

123
黒木さんが今回はハイエナファンドについて書いてくれました。真山仁さんのハゲタカファンドの物語とはちょっと異なっていて小説・エンターテイメントというよりもノンフィクションのような気がしました。ロンドンに住んでおられるせいか当地にはかなり詳しく、また情報も得ておられるのでしょう。どうしようもない国家とそれを食い物にして利益を得るファンドの裁判上での様子がかなり克明に記されていて参考になりました。またいつもどおりの用語の付録がついています。2017/09/19

Yunemo

38
埒外にいる一般個人にしてみれば、腐敗国家の権力者とハイエナファンド、国家を食い物にしているという点ではどっちもどっちの感。でもその国家の住民のことを考えれば、そうとばかりも。1996年から2016年までの現実に起きた推移。また日本の女性がNGOの主要なメンバーとしてこんな活躍をしていたなんて。どうも自身とすれば、世界経済については、日本に影響があるとメディアが報道しない限り蚊帳の外のまま。アルゼンチンに対するパリクラブの最大の債権者は3割を占めるドイツで、2番目は2割の日本だなんて、何だか寒気がする想い。2017/01/28

はるわか

29
破綻した国家の債務をタダ同然の安値で手に入れ、額面に金利や遅延損害金を含めた全額を払えと米国や英国の裁判所で訴訟を起こし、投資額の十倍、二十倍の”リターン”を上げる”ハイエナ・ファンド”。一方でハイエナ・ファンドの活動を阻止しようと各国のNGOが運動。国際金融の現場では、破綻(ないし腐敗)国家とハイエナ・ファンドとNGOの三つ巴の戦いが繰り広げられてきた。2017/10/01

ももかさん

27
これが現実の話なのか…。ハイエナファンド(所謂ハゲタカファンドのこと)、特に不良債権で儲かるカラクリが分かりました。いやいや凄いですね。いくら儲けたいのか…。スケールが違いすぎて。やっぱり頭がよくて強引な人が得してしまうのかと…。賄賂も現実的にはあるし、なかなか貧困から脱出できない理由でもあるんですね。世界の債権ビジネスの歴史が理解できました。2016/12/17

kawa

19
途上国等のデフォルトされた債券を異常な安値で拾い集め、債務国の弱味や法律上の瑕疵につけこんで何十倍もの高値で引き取らす「ハイエナファンド」と、それに対抗する人々との攻防が描かれる。そんなファンドがあったこと自体初めて知った。法律は社会の維持のための最低限のルール、法治主義を貫くことは何より大事なのだが、法律にのっとていれば何をしても良いというのも如何かだ。何よりそんなことで儲けることが、誇りある仕事であると思えないし、金に使われる人生は寂しいのだが‥‥。かの人々は、金儲けを人生の目的にしているようだ。2017/03/12

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