ちくま新書<br> 大坂 民衆の近世史 ──老いと病・生業・下層社会

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ちくま新書
大坂 民衆の近世史 ──老いと病・生業・下層社会

  • 著者名:塚田孝【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2017/12発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480071118

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内容説明

江戸時代、大坂で市井の人びとはどんなふうに生きたのか? どんな仕事をしていたのか? どんな人生の荒波にもまれ、どうくぐり抜けたのか? 江戸時代の「褒賞」の仔細な記録を読みとくと、当時の職業などのほか、病に倒れた親を支える孝行な娘や息子、没落した主人を支え続けた奉公人など、「名もなき」人びとのドラマが見えてくる。本書は巨大都市大坂の形成や町の構造、そして当時の人びとの暮らしを解説する。また江戸時代の「褒賞」が、現在の叙勲や褒章の制度にどのように受け継がれたのか、その歴史をたどる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アメヲトコ

10
大坂における孝子・忠勤褒賞の史料を用いて、近世の名もない人々のライフヒストリーと、彼らのいきる都市社会のありようを描いた一冊。登場する人物はみなそこまでやらなくてもと思うほどの健気さですが、しかしそれは当時の都市生活がいかに不安定なものであったかを逆説的に示しているように思いました。2017/12/12

chang_ume

9
過去に生きた人びとへの共感。その動機が生んだ一冊と思える。近世後期大坂の「孝子褒賞・忠勤褒賞」を主な史料に、都市下層民を含む身分的周縁層の生活を活写する試み。そこから描き出されたものは、願人坊主・陰陽師・修験といった下級宗教者の集住地域「西高津新地」など、大坂南部マージナルエリアのトポスでした。集団と地域が立体的に交差する場所としての「道頓堀」一帯の様相です。本書で抽出された近世都市生活者が、他都市(たとえば京都)ではどのようなあり方なのか。居住域の分析を通じた社会理解に興味が湧く。2019/01/16

kawasaki

8
褒賞や町の文書から、いわゆる「名もなき民衆」の歴史、つまりは多くの我々が生きた姿を浮かび上がらせる。けなげな生き方もあれば、借家のため婚姻や養子で家族を組み替える必死さ、褒賞後ほどなく没落することもある不安定さもあり。徹底して史料を掘る姿勢に歴史学の本に触れる喜びを感じる。江戸時代の町の自治の様子を見た後、あとがきに、現代の自治体は住民が行政サービスを要求するだけの機関になってはいないかとの指摘があり、ぴりりと手厳しい。住民の歴史と現代との断絶に、釣鐘町の鐘(大坂町中時報鐘)問題を思い出した。2017/12/18

suma2021

6
江戸時代後期の孝子と忠勤の褒賞から市井の人々の生活や様相を浮かび上がらせようとする書。正直江戸時代の褒賞制度自体を全く知らなかった身としては、少し頭に入りづらい内容ではあったが、歴史上の著名な人物ではなく市井の人々から歴史を垣間見るというのも面白い試みかと思って読み進めた。孝子と忠勤とどちらも儒教からくる考えから出来た褒賞制度なのか? 少し調べてみよう2025/01/02

PRAGUE

4
「江戸東京の明治維新」「生きづらい明治社会」と明治時代の民衆史を2冊読んだので、なら近世はどうかということで急遽読了。孝子・忠勤の褒賞から近世大坂の名もなき庶民の生活を浮かび上がらせていく手法は見事。先の2冊とも共通するのは些細なことで貧困へと転落してしまう都市での生活の不安定さ。災害や病、事故などを誰にでも起きうるものとして、セーフティネットをしっかり整えることが重要になる。2018/10/08

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