内容説明
「赤壁の戦い」――曹操率いる八十万もの大軍を、“奇門遁甲”によって潰走させた軍師・諸葛孔明。そのおそるべき力に対し、曹操がとった奇策こそが、倭国の女王・卑弥呼の召喚だった! 邪馬台国女王の正体とは? 卑弥呼が操る“鬼道”とは? 三国志の英雄と、日本史最大の謎ともいうべき卑弥呼との直接対決の行方はいかに。同時代に生きた二人の異才が壮大なスケールで繰り広げる、奇想天外な長編歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
瀧ながれ
18
『三国志』のころ日本では、卑弥呼さんが邪馬台国を経営なさってた、という知識はあったけど、「対」とするにはおんなじ戦場にいなくちゃならないわけで、その辺どうするのかなと楽しみでした。『爆撃聖徳太子』でもそうだった、大陸からみた田舎の一地方として描かれる日本の風景が新鮮で、住人の意識を掴むのにちょっと苦労しました。2015/01/16
TheWho
15
前読の痛快古代史エンタメ小説「爆撃聖徳太子」以来著者二作目。今回は、三国志魏書烏丸鮮卑東夷伝倭人条、所謂「魏志倭人伝」で記載されている倭国大乱と邪馬台国の卑弥呼、そして三国志の赤壁の戦いや街亭の戦いをモチーフにした壮大な伝奇歴史絵巻。赤壁の戦いで惨敗した曹操が、孔明の対抗馬として卑弥呼を召喚する行から物語は始まり、魏志倭人伝にも登場する難升米の目線で、三世紀の倭国の実情、卑弥呼と共に大陸へ渡り街亭の戦い等の三国志争乱に介入し劇的に展開していく。奇想天外な物語ながら著者の硬質な歴史観が満載の一冊です。2017/06/17
ようはん
8
三国志物の小説としてはトンデモ本の部類に属するが、一部の三国志武将の扱いの悪さや不良口調の孔明を受け入れられるなら充分に面白い内容。2019/10/04
みろ
5
タイトルのわりには対決してないし、これからじゃんと思ってたら、続編が出てうれしい。妙にべらんめえに孔明がエレキギターをひきまくるのは楽しい!!大陸からすればど田舎な倭国の一女性についても知ってるなんて、さすが孔明だ。孔明にしろ卑弥呼にしろ側近たちは苦労してそうなキャラなのが不敏。2015/05/19
Y.Terminator
4
期待しないで読んだのですが、期待以上に面白かった。倭国、奴国、末盧国などの背景の設定も絶妙でした。 特に邪馬台国は蛮族の集まり、といった描き方をしているところが斬新で面白かったです。めちゃくちゃと言えばその通りですが、エンタメ作品としては面白いです。 魏志倭人伝に出てくる邪馬台国に興味がある人には、お勧めの小説です。 ただ、最後のエンディング数業だけは、ちょっとなぁと、興ざめしてしまいました。 続編があるみたいなので、もちろん読みます!2023/02/15