中公新書<br> 秀吉と海賊大名 海から見た戦国終焉

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中公新書
秀吉と海賊大名 海から見た戦国終焉

  • 著者名:藤田達生【著】
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 中央公論新社(2017/12発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121021465

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内容説明

信長・秀吉・家康が天下統一をめざした時、鍵となった地域が瀬戸内である。とくに伊予(現在の愛媛県)は中国・四国・九州を結ぶ「かなめ所」(秀吉の朱印状より)であった。瀬戸内海で活躍した村上氏・来島氏ら海賊衆と彼らを束ねた河野氏・毛利氏ら「海賊大名」は、秀吉など東国勢力との衝突を余儀なくされる。信長が始め、秀吉・家康が引き継いだ「革命」は、地方の人々をいかに翻弄したか。愛媛出版文化賞第1部門受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hoiminsakura

8
海賊大名として瀬戸内海賊世界に名を馳せた河野氏と、村上氏及び来島氏の毛利氏等との関係を解き明かしながら、秀吉による瀬戸内海賊世界の再編成過程を明らかにする。まず毛利氏に委ね、毛利氏と共謀して河野氏を断絶させ、村上氏を九州に追放する。惣無事令、海賊禁止令や刀狩令という豊臣平和令が通説のように地域社会からの国家形成をそのまま意味することに疑問を呈した出発点より、秀吉及び諸藩からの期待を担う海賊の役割が次第に明らかになる。秀吉のしたたかさを新しい視点からより強く認識した1冊となった。2022/01/03

Ujiro21

8
村上海賊に興味を惹かれ、図書館で手に取り読んでみる。基本的に日本史の一般知識は中学校で止まっている自分としては、久々に出てくる織田信長とその家臣に、中国、四国の毛利、河野(村上水軍)、長宗我部ら西側大名達の調略に心が踊った。はじめに村上武吉が海賊大名である事を過大評価であると一蹴し、足利義昭の鞆幕府を起点にどの様に西側大名が信長勢力と対峙していったのか歴史資料を示しながら解説していく。史料は現代語訳されているので、個人的に嬉しい。ただ、地図が全く出てこないので、近畿、四国、中国、九州の地図を片手にオススメ2017/10/13

keisuke

8
「海賊大名とは」から入るけど、メインは「秀吉が、どう中四国を制圧したか」。もっと村上の話知りたかった気もするけど、勉強にはなったし面白かった。「軍師官兵衛」のこっからの話もあって楽しみ。2014/07/19

ジュンジュン

6
戦国時代の海賊といえば、村上水軍しか思い浮かばなかったが、本書では瀬戸内海周辺を一体の世界として捉え、秀吉の天下統一事業に関連付けて、その中心たる海賊の興亡を描く。特に伊予(愛媛県)の河野氏に注目するのは、著者が愛媛出身だからだろうか?2020/03/23

うしうし

6
村上武吉ではなく、伊予河野氏や小早川隆景を代表とする毛利家を海賊大名として位置づけ、戦国時代末期から江戸時代初期までの瀬戸内海周辺の歴史を概観する。能島村上氏を過大評価する研究は「個別海賊論」とし、中国四国沿岸地域というスケールからの「海賊権力論」を展開する立場をとる。藤田氏独自の「安土幕府」や「鞆幕府」論、藤堂高虎論などともリンクして、記述がやや難解な点もあるが、先日読んだ山内譲氏の書籍よりも広い視点で、瀬戸内海を舞台に海賊から見た戦国時代の終焉が論じられているように思える。藤田氏は山内氏をある意味2018/02/24

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