小学館文庫<br> み仏のかんばせ

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小学館文庫
み仏のかんばせ

  • 著者名:安住洋子【著】
  • 価格 ¥627(本体¥570)
  • 小学館(2017/12発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094064803

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内容説明

傷を持つ二人が夫婦になるが…感動人情小説。

  貧しい小作の娘だった志乃は、女郎になるのが嫌で江戸に出て行き、首切り浅右衛門のもとで松助という名の「男」として仕えることになった。剣術の腕も磨いていたが、ある日浅右衛門家にとって大切な死人の肝を、強盗に奪われてしまう。責任を取って浅右衛門のもとを去り、名前を戻し針売りの娘として生きはじめた志乃。そこに、志乃が憧れていた壮太があらわれた。「男」として介錯を仕事としてきた志乃はまともな幸せなど考えていなかったが、お互いの気持ちを確かめて、夫婦になった二人。
 しかし、壮太にも隠された過去があった――。志乃が奪われた死人の肝を盗んだのが、壮太達だったのだ。そして、仲間の男だった沖次が凶暴になって、江戸の町を震撼させていたのだ。壮太は、沖次と決着を付けようと出かけていく。それを追って、刀を持った志乃が追いかけていく。果たして決着は!?(第一部 「月明かりの面影」)
 第二部では、夫婦のその後と沖次の子供が絡んでいく。(「裏庭の陽だまり」)
 ささやかな幸せを願う市井の女性が懸命に生きる姿を描いた人情小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はつばあば

57
安住さん、多くの本を書かれているわけではありませんが、この方の本は私の気持ちがふっと離れたところにある時に読みたくなる本です。親から女衒に売られ手込めにされ・・逃げ出した志乃。女で生きる事をやめ、浅右衛門の元で男として中間奉公するも大切な肝を夜盗に奪われ職を辞す。人生苦があって幸せに気づくもの。苦など無いに越したことはないが、それではあまりにも味もそっけもない人物に仕上がる。浅右衛門には浅右衛門の苦悩があり志乃にも壮太にも・・。み仏のかんばせとはとてもいい題だし、内容もじっくり味わってみて下さい2021/12/13

DONA

34
もう少し盛り上がりが欲しかった気がしますが、読みやすい作品でした。泣ける要素はいっぱいあったのに、泣けなかったのが残念。2018/07/26

ひさか

31
2017年12月小学館文庫刊。書下ろし。月明かりの面影、裏庭の陽だまりの2部構成。松助と名のり、山田浅右衛門の中間を務める志乃の数奇な運命を描く1部と、壮太と志乃とその子供達の暮らしを描く2部は落差が大きいです。めずらしいストーリー展開で、楽しめました。ラストは悲しくなりました。2021/07/20

ごへいもち

25
良いんだけれどもう一つ何かが。寡作なのが残念な作家2023/09/07

真理そら

18
寡作すぎる作者の久々の新刊。山田浅右衛門の中間として過ごす松助こと志乃の話。浅右衛門の中間が男装の女という設定は意表をつくが、女衒から逃れた身の上としては最も安全な避難場所なのかもしれない。人に言えない過去を持つ男と女の深い結びつきだが話としては切なくない。普通の生活がどれほどかけがえのないものなのかを感じた。志乃の剣の腕前が意外に拙いのもリアルで良い。2017/12/26

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