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内容説明
カリスマ料理家による美といのちの名言集。
2002年、『いのちを支えるスープ』がベストセラーとなり、社会現象にまでなった料理家の辰巳芳子さん。常に「食」と「いのち」に向き合い、様々な場面で提言を続けてきたカリスマ的料理家です。その辰巳さんが、「食と美といのち」について、「日本の美」について語った『和樂』での連載をまとめ、さらに印象的な名言の数々を抽出して美しい写真とともに構成した、美といのちのヴィジュアル名言集です。
漆器や和紙などの工芸品、香道やきものなどの日本文化、白米や梅干しといった日本ならではの食材や料理、お箸をはじめとする料理道具などを通して、日本の自然、風土に根ざした「美」の意味を鋭く分析。
何故私たちは今、日本美を大切にしなければならないのか。国際化とデジタル化が猛烈な勢いで進む現代社会にあって、何を大切に考えて生きてゆかなければならないのか。
2017年12月に93歳を迎える著者が、次世代の日本人に向けて渾身の思いを込めて語った“金言”の数々は、多忙な日々の暮らしの中で、豊かに生きるためのたくさんの“気づき”に満ちあふれているはずです。
【ご注意】※この作品はカラー写真を含みます。
※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケロリーヌ@ベルばら同盟
42
日本の美しさとは何かを考える上で、料理家・辰巳芳子さんの心に、最初に浮かぶのは、稲作の風景だそうです。数ある穀物の中で、最も手間のかかる米を、食の根幹に据えた国。四季の移ろいの中で育まれた米を命の糧として生きてきた我々の中には、美しいものに憧れる心、また美を創出する力があると辰巳さんは言います。数々の至言を、深みある写真が彩ります。理に適った切り方の野菜が煮えるお鍋、お米の粒が見える三角おにぎり、梅干しを入れて炊いたご飯、そして棚田の風景…。先ずは日々の食事作りから自分の中の美を育ててみようと思いました。2018/11/15
りずみぃ
34
素材の声を聞き、素材の喜ぶ切り方調理法をする。お鍋の中が綺麗だと、お味も良くなる。「美味しい」には「美」という漢字が当てられている意味を知る。日本には美しい季節が次から次へと巡ってきて、一つのことを突き詰めて考えるのが苦手という日本人論が新鮮。料理を通した美しい日本の歳時記。こんな切り口があったのかと目から鱗の数々。国民の事を想い寄り添ってきた平成天皇の誕生日にぴったりの本。2018/12/23
羽
16
料紙、香道、絹、工芸品。辰巳さんの高い美意識がうかがわれる。美への憧れを大切に持ち続けること。それが美意識を高める第一歩。今のわたしにできることは、お気に入りのカップに、丁寧に紅茶を淹れること。旬の食材でおいしいごはんを作ること。「美味しい」というのも「美」しいもののひとつだから。美は、日本の風土に根付いている。お米を食べること、職人がつくったいい道具をつかうこと。秩序をたもつこと。辰巳さんのことばを胸にきざみ、日々美しさを感じながら、静かに生きていきたいものです。2020/11/29
るるぴん
5
雑誌「和楽」に掲載されていた辰巳さんの言葉をまとめて収録。食べものや日常使う料理道具ひとつにも「美」を感じることが、美味しい料理、いのちの継続には必要だと。美味しいお米は美しい畑に実った宝物と考えると道理がいく。荒れた畑に美味しいものが生るはずが無い。と思ったら、自分を健やかに保つために、何をすべきか・・ということまで思いを馳せられる1冊。丁寧な料理をするためには、秩序に基づいた段取りが必要で、それをきちんとできるようになると「感応力」がついて、美意識も高まる、というようなことが書いてあって納得。2019/06/05
ぴちゃこー
5
品のよいおばあ様のお言葉の数々。日本の風景、食、道具。今は手をかけたり、少し値が張ったりするのを避ける傾向にあるけれど、ちょっとした心がけできちんと生きることで人間が出来上がっていくに違いない。大先輩からの言葉を忘れずに生きてきちんとしたおばあちゃんになりたい。2018/02/20