内容説明
重い障害を持つ少女はこんなにも家族の宝物。
2003年、元客室乗務員でニューヨークで仕事をしている著者のもとに生まれた千璃(せり)ちゃんは、目と鼻(鼻梁)がない重度の障害を持っていました。
見ることも話すこともできない娘への好奇の目や、無責任な批判にさらされて傷つき、自分たち両親がいなくなっても娘がなるべく周囲の手を借りずに生きていくためにどうしたらいいだろうかと悩み・・・
先の見えない苦悩の中で、著者はある日、屋上で、娘と一緒にここから飛び降りようと心に決めます。しかしアパートの部屋に戻り、えび反りになって大泣きしていると覚悟して開けたドアの向こうには、ドリカムの「うれしい!たのしい!大好き!」の流れる中、「キャッキャッ」と笑う千璃ちゃんの姿がありました。
相模原で起きた障害者殺傷事件の容疑者の、「障害者は不幸を作ることしかできない」という言葉は間違っていると実証する、一家の14年の記録です。千璃ちゃんがこんなに素晴らしいメッセージを持って生まれて来てくれたことに感謝する、母から娘へのエンディングの言葉を涙なしには読むことができません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あん
67
サブタイトルがあまりにも衝撃的で...図書館で思わず手に取ってしまった本。重複障害を持って生まれてきた成長と、家族の奮闘の記録です。前作出版の後、心無い批判に対して傷ついたことも綴られています。それでも、家族みんなで千璃さんを守っている姿がとても自然で、これからも家族一丸となって頑張って欲しいと素直に思いました。前作「未完の贈り物」も読まないとです。2018/04/02
ゆずぽん
26
両眼性無眼球症に重ね重度の障害を持って生まれた長女との暮らしを綴った本。考えさせられることが多くて、何をどう言ったらいいのかわからない・・でも、倉本一家は皆が皆を思いやり、幸せに向かって前を向いて歩いているんだってことは伝えられる。前作「未完の贈り物」も読みたい。2022/01/14
スー
23
89相変わらず義眼を入れる為の手術を繰り返し9才になっても歩けず意志の疎通も難しくオムツも外せず心が折れそうになる中で前作の本を読んだ人達から心ない批判を受け追い詰められてしまうが夫と元気な3人の子供と友人達に支えられる日々、娘を寮のある障害者の学校に転校させると今まで出来なかったのに自分でスプーンを持って食事をし掴まりながら歩く姿を見て成長を感じ涙を流し夫と共に喜ぶ、子供のいる生活の大変さと喜びを感じこちらも幸せを分けて貰いました。2020/07/02
ゆうゆう
7
前作から、おおきくなった!頑張っている!家族がチームとなって、セリちゃんを支え、セリちゃんに支えられている。前作の医療制度では、何て国だ!(いや、日本の皆保険がすごいのか?)と思ったが、障害があっても個性と自然体で生きやすいのは、日本以外なのか?日本の特別支援教育はどうなんだろう?と思った。2018/01/06
まみか
5
『名前も顔も明かさない人たちに、伝える手段を探すためには、もっとエネルギーが必要だよ』 図書館の期限があって、また借りて続きから読みます。 いま、手に取れてよかった。2021/05/04