内容説明
EUとは何か、ドイツの役割と共に解説。
2度の世界大戦という苦い経験から、戦争のない平和な世界をつくるという大きな理想を掲げて誕生したEU。国境をなくし、通貨を共通にして、人、モノ、お金の移動を自由にしていった。
しかし、移民や難民の流入を招いてEUの結束は揺らいでいる。イギリスがEUからの離脱を決め、各国で自国第一を掲げる政党勢力が伸長した。
理想と現実の狭間で悩むEUはどこに行くのか?
実は統合にはドイツが強大になるのを抑え込む意味もあった。しかし、今やドイツはEUのリーダー格になっている。戦後のヨーロッパでのドイツの役割と共にEUを読みとく、池上オリジナル解説。
本書は、池上さんが選ぶ独自のテーマで、世界の国と地域を解説する「池上彰の世界の見方」シリーズの5冊め。都立戸山高校での特別授業をもとに構成。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nico
29
まさに『ドイツとEU』というタイトルがぴったりな1冊。EU発足までの流れ、ユーロの弱点、難民問題などなど、対談形式でわかりやすくまとまっている。ヒトラーの生まれはオーストリア、国民投票の危うさ、なぜEU本部はベルギーなのかなど、新しく学んだこともたくさんあった。EUの「戦争を起こさないようヨーロッパをひとつに」という理念は素晴らしく、きっと誰もがそう望んでいるのに、現実では一筋縄でいかないことにもどかしくなる。ドイツが移民受け入れに賛成なのもある種の教育の賜物と分かり、平和と歴史教育の大切さを感じた。2019/04/06
33 kouch
28
EUはドイツを牽制するという裏目的もある。そのためドイツ史を紐解くとヨーロッパ全体も見えてくる。ナチスで失われた信頼を取り戻すため、国際社会において誠実な態度で立ち回る。いまもなお続くユダヤ社会への補償・ナチに関与したものへの無期限の責任追及・決して忘れないための自国民への教育の徹底。メルケルの国際社会での振る舞いも素晴らしい。同じ時代、帝国主義で猛威を振るった日本。同じ黒歴史を持つのでつい比較してしまう。心のどこかで「ナチスほどの酷さは…」と思っていないか。同じ歴史をもつ国民として思うところが多かった2024/09/25
kawa
21
これは良書。この「世界の見方」シリーズは、各地の高校の授業の中で質疑応答によったものを書籍にしているそうだ。本書は、ドイツとEUの過去・現在が解り易くコンパクトにまとめられ、しかも、敗戦後の日独の責任の取り方の差、ナチスの反省から国民投票制をとらない憲法、南北の国民性の違い、難民受け入れに関する旧東ドイツ住民の雰囲気等々、今まで知らなかった興味深い内容が多数だ。2018/01/29
鯖
18
イギリスがEU離脱(ブレグジット)を決めた頃に出された本。あの頃なりに緊迫してたんだろうけど、平和だったんだなあ…という切なさ。ドイツの原発廃止や移民等の革新的政策に賛成の立場。もちろんフランスから買電してることには触れてるけど、あんましロシアとの関係は出てこなかった。国内で原発廃止等をして、他国に負の面を押し付けたあげくのドヤ顔で、最近のドイチュ、他国からアレなんだろうなあ…。アルザスロレーヌ地方での「最後の授業」(ドーデ作)読んだことないので読もうと思う。2022/10/02
ふくいち
14
先日読んだ「イギリスとEU」がこの本の続版だと書いてあったので,遅ればせながら読了。学校で習った当時はまだECだったし,イギリスは加盟してなかった。そしてイギリス離脱へ。まさにダイナミックに歴史が動いている。通貨統合の功罪。金融政策と財政政策,言葉だけの説明ではわからないが,生の実例があるだけにわかりやすい。ドイツの第二次大戦の償いの記述を読んで,日本の償いが充分だったのか考えさせられるが,南京大虐殺の人数水増し疑惑などを考えると,心は揺れる。さあ次はASEANを扱った「東南アジア」編だ。2020/01/26
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