岩波新書<br> 親権と子ども

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岩波新書
親権と子ども

  • 著者名:榊原富士子/池田清貴
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 岩波書店(2017/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004316688

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内容説明

親権は誰のためにあるのか.増加する離婚の時に登場する親権.子どもの親権をめぐる争いは10年前の3倍以上になっている.年10万件の相談がある子どもの虐待では,親権は子どもの救出を阻む「壁」にもなりうる.弁護士として実務経験も豊富な著者たちが,子どもの視点を盛り込みながら,具体的に解説する.

目次

目  次

 序章 なぜ、いま親権なのか

 Ⅰ 親権とは何か
   1 親の権利なのか
   (1) 親権は誰の権利?/(2) 「家のため」「親のため」の親権から「子どものため」の親権へ/(3) 子どもを権利の主体とする親権
   2 誰が親権者か?
   (1) 家族のかたちと親権/(2) 親権の帰属、行使という考え方
   3 親権の内容
   (1) 民法における親権/(2) 子どもの監護と教育/(3) 子どもが住むところ/(4) 子どもが働くとき/(5) 子どもの財産の管理/(6) 子どもの代わりに財産の契約をする/(7) 結婚や遺言は
   4 親権者に禁じられていること
   (1) 未成年の子どもの行為を目的とする契約/(2) 親権者と子どもの利益が相反する行為
   5 親権の制限と終了
   (1) 親権の喪失や停止/(2) 親権の終了/(3) 成年年齢
 Ⅱ 離婚と子ども
   1 離婚と親権
   (1) 親権者を決める/(2) 親権や監護権をめぐる争いの増加/(3) 離婚後に親権者はどちらになるのか
   2 親権と監護権は、どのように決まるのか
   (1) ある裁判例/(2) 親権を争うとき/(3) 親権者や監護者を決定する基準は/(4) 親権者をさらに変更するとき
   3 養育費
   4 面会交流
   5 海外における離婚と親権

 Ⅲ 親権と虐待
   1 親権と虐待の境界
   (1) 親権という「壁」/(2) 虐待とは/(3) しつけと虐待/(4) 教育と虐待・ネグレクト/(5) 医療とネグレクト/(6) 性的虐待と親権
   2 虐待への対応と親権
   (1) 発見、通告/(2) 調査/(3) 地域のネットワーク/(4) 家庭訪問とその後/(5) 立入調査/(6) 臨検・捜索/(7) 一時保護と親権/(8) 子どもの気持ち/(9) 親権者との協議/(10) 児童福祉法二八条審判/(11) 裁判上の和解と、里親への委託/(12) 親子が再びいっしょに暮らせるように
   3 親権の制限、未成年後見
   (1) 親権を制限する制度/(2) 親権の制限を用いるとき/(3) 未成年後見制度
 終章 子どもからみた親権
   主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

29
親権とは子どもにとってどういう意味があるのか、子どもの人権保障の視点から法的解釈を示した内容だと思います。現実問題のなかで親権が壁となり、子どもの最善の利益を保障し、適切な保護などが難しいことはあると思います。しかし、親権は子どもが親権者に対して監護や教育を求める権利なんだと示すことは大切だと思いました。また、虐待事例から親権問題を具体的に考察しており、子どもの命を守り発達を保障することと親の成長・発達をも含めた社会的養護のあり方についても考えることができたように思います。勉強になりました。2017/11/02

こぽぞう☆

17
図書館本。「親権」というけれど、「子どもの権利」を抜きには語れない。近年、改正されている民法を理解するには良書か。2017/09/03

てくてく

7
離婚と親権、虐待と親権、その前提となる子どもの権利について、事例を用いて最新状況を説明している。明治民法における懲戒権の説明が興味深かった。2017/10/21

micamidica

6
前半は離婚と親権について、後半は虐待と親権について。だいたいの流れは知っていたけれど法律についての知識が断片的だったので、体系的に整理されていてとても役に立った。親権=親のための権利ではないし、面会交流が親のためではなく子どものために推進されますように。自分のために面会したがる親がいて、子どもに不利益になっていることも多いことをきっちり世の中(とくに親子断絶防止法成立に取り組んでいる議員のひと)にわかってもらいたいところです。2017/10/18

akane_beach

5
長年にわたり家庭問題に関わって来て、特に子どもの事件に詳しい二人のベテラン弁護士が、親権という法制度の最新の情報とたくさんの資料と例を提示して、難しい法律の説明と、時代の流れに合わせて変わってきた子どもや親権に関する法律と、その問題点や活用方法まで丁寧に記されています。親権は子どもの利益を守るもの。まただからといって子どもは保護されるだけの存在ではなく、親権という仕組みは子どもの人権を保障するためにこそある、と言い切ってます。2017/10/22

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