帝都東京を中国革命で歩く

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帝都東京を中国革命で歩く

  • ISBN:9784560092507

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内容説明

歴史の強烈な磁場にありながら、あるいはそれ故に、忘却されてしまった場所がこの東京には無数にある。本書は早稲田、本郷、そして神田の各地を歩きながら、中国革命の痕跡を探り出す試みである。
明治維新の成功と日露戦争の勝利、さらに科挙制度の廃止(1905年)といった事情も手伝って、明治・大正の東京には中国から多くの亡命者や留学生がやってきた。悲嘆に暮れて亡命してきた梁啓超、漱石に憧れて本郷西片に住んだ魯迅、受験に失敗して失意のうちに帰国していった周恩来はじめ、彼らにとって東京は特別な場所だった。
革命を夢見た彼らの周囲には、どんな風景が広がっていたのだろうか? 日々を過ごした空間はどんな色彩で満たされ、またどんな匂いが漂っていたのか? 本書では一つひとつの場所を実際に訪ねて、読者とともに味わっていくことになる。
こうした試みは、中国革命の群像劇について知られざる一齣を明らかにするだけでなく、帝都のイメージを一新してくれるはずだ。革命の揺りかごになったもうひとつの東京へ! 明治・大正の地図や当時の図版約100点をオールカラーで掲載!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ポン・ザ・フラグメント

8
各章で紹介されるエピソードはそれぞれに面白い。ただ、「歩く」という感じにはなっていない。遺跡のような何かが残っていればそれなりに面白いのだが、こと戦前の日中関係に関する物は東京ではほとんど消失しているようだ。現在何かよすがを味わおうと思っても、せいぜい「維新號」に行って飯を食うぐらいじゃないかなあ。過激派革命美少女秋瑾が本当に美少女で良かった。また、孫文30歳と熊楠29歳が大英博物館で知り合うという、ほとんど風太郎じみたエピソードには驚いた。当然殺人事件のひとつやふたつ……2016/08/14

kawasaki

2
明治後半~大正期の東京に暮らした中国人留学生たちの物語、というテーマでまとまった本。孫文、蒋介石、周恩来といった歴史上の著名人が各章で扱われるが、そこまでは名を残さなかった人々の回想も紹介する。中国と日本の「若い時代」、心温まる交流や異文化体験、熱意や息遣いが面白く読める。関東大震災に被災した留学生とその家族の慰霊碑の話が印象深い。2017/03/10

Masakazu Fujino

2
早稲田、神楽坂、本郷、神保町、御茶ノ水。よく知っている町に、たくさんの中国人留学生が学び、中国革命に大きく関わっていったことを改めて知った。中国革命に果たした日本への留学生の役割の大きさも。2016/12/27

takao

1
早稲田、本郷、神田 2019/08/17

無理ちゃん

1
興味深い内容だったけど、疲れる読書だった。 読み終わると、熱く若くキャラの濃い人物たちが繰り広げる群像劇を見終えたような清涼感があった。日本の幕末が人気があるのが、本書を通じて、体感できた気がする。中国近代革命はアジアの中でいち早く西欧科学を取り入れた日本がモデルだったのだから。 世界史的には、孫文と蒋介石くらいしか知らなかったが、様々な人物が躍動していたことを知った。たとえば孫文は、いまや革命のアイコンだけど、カリスマ性と強い運を持った人物であったがために一番上に行った。実質、成し遂げたのは、宋教仁。2017/11/13

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