内容説明
僕はささやきながら彼女の手を強く握りしめた。それから2人はずっと手を離すことはなかった――この一文で絶筆し、42歳の生涯を閉じた「カモちゃん」こと鴨志田穣。彼がアルコール依存症の治療前~がん闘病中に書いた未刊行原稿のすべて。小説「焼き鳥屋修業」はベッドから1枚1枚編集者に原稿用紙を手渡した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
derashine
2
西原氏に対して、愛情があるのに、自分は彼女の知名度のおかげで仕事ができているのではという焦燥感が滲んでいるのが切ないようなもどかしいような。酒に溺れるダメ人間なのに、繊細でまじめだから憎み切いように文章からは受け取れる。身内はたまったもんじゃないでしょうが。アル中は精神が弱ったときにかかる病気であり止められないのだなとも。でも遺稿が「邂逅」のような温かく愛あるものというのは、とても幸せなことなのでは。2016/05/06
mat
2
この人の文章は心の中にすごく響く!2015/08/10
ユ-スケ
1
最後はこんなにダメな人間だったのに、なぜか共感を覚え、読み進んでしまうのは、きっと誰しもどこかにもっている弱さをカモちゃんが書き表してくれたからなのではないだろうか この人が戦場で見たもの、そしてどうして戦場を離れてしまったのかを知りたくなった2013/02/19
おおやなぎまさひこ
1
荒削りながらも時折キラリと光る文章が随所にあって、西原さんはこーゆーところにきっと惹かれたんだろうなと思う。「無頼派」西原の女性的な一面を鴨ちゃんの本で覗く度、わーこんなこと読んじゃっていいのかなぁとドキドキする。2人の関係にたまらなくエロスを感じます。書けない売文家と書いていらっしゃるけど、読者にこんなに愛され、作品も映画化されたりしている。やはりすごい才能だと思うよ。日本のバロウズと呼んでいいと思う。2010/11/07
じんたろう
0
自分の力だけじゃあ どうにも出来ない・・・ もしも 家族だったら 支えてあげられるかな? 理解なく読み進めてしまったけど、元妻の西原さんへの感謝や深い愛 そして たくさんの人から愛されたという事実だけは どこもでも感じた。2013/03/20
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