内容説明
多数の著作から選ばれたベストワークス
内田樹の思想を知り、辿る上で欠かせない著作十一作を著者自らが解説する。
現在の日本と世界の問題を解くために重要となる一冊。
100冊を超える著書・翻訳書を刊行してきた著者。
自作自註の講義でとりあげられた『ためらいの倫理学』『先生はえらい』
『レヴィナスと愛の現象学』『街場の中国論』『日本辺境論』『「おじさん」的思考』
『昭和のエートス』『下流志向』などを論じる中で生まれた新たな思考が飛翔する一冊。
巻末に著者・翻訳者リストを収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
to boy
23
自著をもとにした講義を本にしたものだそうです。既読の物の未読の物もありました。「倫理とはあらかじめありものではなく、その都度選び取る物」など、な~るほどと思わせる内容がいっぱい。一読ではなかなか理解できそうもなく再読リストに入れます。でも、レヴィナスを語ったところはさすがに難解です。世間を気にせず自分に正直に生きている著者だからこそ言える貴重な意見です。2018/01/26
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
22
内田樹8冊目。 また、すごいタイトルだこと。 レヴィナスのとこは流し読み。 最後の「下流志向」のとこだけでも読む価値があると思う。2018/08/31
アドソ
16
社会に対する自分の見解に自信がなくなってくると、いつも内田先生に頼ってしまう。ここに解説されている著書の中には、読んだものも読んでないものもあるけれど、解説というより「延長戦」という感じで、別冊付録のようなお得感。3分の1くらいがレヴィナス関係の書にあてられていて、敬愛の深さが伺われます。著者ご自身は「私の意見は少数派」のようなことをおっしゃるが、これだけ本が売れて読み継がれているのだから、人口に膾炙しているんですよね。2018/04/03
tokko
14
内田先生による内田先生の著作への書評、というわけで本の解説だけなのかと思ったら、どっこいそうはいきませんでした。解説はそっちのけでその当時の論考に対する補足、追加、脱線(?)もあり、本を読んだことがあってもなくても楽しめる内容です。読んだことのない本は「そうか、面白そうだから読んでみよう」と思うし、すでに読んでいる本は「なるほど、さらに理解が深まったかもしれない」と思わず膝を打ってしまいます。しかし内田先生ってたくさん本を書いていたんですね。2018/08/06
tokko
7
2017年の出版ということは、すでに5年が経過しているということですね。その間に新型コロナウィルスが流行し、長期にわたった安倍政権は終わり、ロシアがウクライナに侵攻しました。トランプ大統領はメディアを賑わせたし、日本の元号は令和になり、東京オリンピックが開催されました。内田先生も多くのトピックについてたくさんのコメントを寄せましたし、本もたくさん出版されたかと思います。そろそろ「内田樹による内田樹Ⅱ」が出てもよいのではないでしょうか。(切に希望します)2023/07/29