幻冬舎文庫<br> 猿島六人殺し 多田文治郎推理帖

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幻冬舎文庫
猿島六人殺し 多田文治郎推理帖

  • 著者名:鳴神響一【著】
  • 価格 ¥721(本体¥656)
  • 幻冬舎(2017/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344426788

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内容説明

浪人者の多田文治郎は江ノ島・鎌倉見物のあと足を伸ばした米ヶ浜で、浦賀奉行所与力を務める学友の宮本甚五左衛門に出会い、対岸の猿島で起きた殺しの検分に同道してほしいと頼まれる。甚五左衛門が「面妖な事件」と評したことに興味をそそられ、承諾した文治郎。酸鼻を極める現場で彼が見たものとはいったい……? 驚天動地の時代ミステリ!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

354
江戸時代で『そして誰もいなくなった』をやろうという発想は楽しく、そこそこ以上のクオリティにも達している気はする。もう新本格が飽和しまくっている今ではなく、30年くらい前に出ていれば、もう少し注目を浴びる作品になったのではないか。手記に緊迫感がなく、短い頁数でただバタバタ死んでゆくだけなのと、解決編があまりにアッサリし過ぎているのと、ナニより作者が新本格畑ではないことで作品が損しているように感じた。あと、最近の時代小説全般、読みやすさを優先してか、カタカナを多用するのはあまり好きではない。2018/01/28

nobby

111
江戸時代版クローズドサークルもなかなか悪くない。浦賀沖の猿島で起きた六人の惨殺模様、そのままが潔いタイトル頁めくると、右に人物説明を左に見取図を目にしてはテンション上がるのは必然!序盤の現場巡っての殺戮ぶりやダイイングメッセージなどで一気に引き込まれた。そこから実際の様子や動機を残された手記と考察で交互に描く展開に、驚きは少なめだが程よい真相解明は読みやすい。終盤に導き出される切ない事実への憤りから、その復讐への執念には共感すら覚える。彼が最後まで守りたかった物、その捻りでまた人情感じられるのが心地よい。2018/07/03

aquamarine

80
時代小説でありながら、孤島でのクローズドサークルもの。登場人物表に見取り図と最初から期待も高まります。すでに起こってしまった事件を多才の浪人・多田文治郎が検分することでまずは全員が他殺であるという死体の様相を明らかにし、そのうえで最後に殺されたと思われる人間の手記で殺された順など当時の様子を補完する、という作りは見事に読者を引っ張ります。そして謎が解かれた後に出てくる真相と動機は…!謎自体は特殊なものではありませんが、ちゃんとミステリでしっかり時代小説で面白かったです。シリーズ化されたら是非読みたいです。2018/01/24

papako

56
電子書籍のセールで気になっていて、お気に入りさん達も読まれていたので。おお、本当に、本格推理が時代小説として書かれている。トリックとか謎解きとか、アリバイとか。ちょっと面白い。ただちょっと長いな、と感じました。そんなに長くはないんです。ちょっと先が読めたからかな。軽く楽しめる本格の変化球ってやつですね。2018/09/17

瑞佳

51
ちょんまげ版『そして誰もいなくなった』(つうか、展開がスピーディーで被害者の悲鳴が轟くあたりは、わたしとしてはちょんまげ版プチ『13日の金曜日』の感覚)として、とおおおっても楽しく読ませていただきました。ミステリファン垂涎ものの魅力的な謎がいやにあっさりと解明されて、わたしが犯人だったらあれほどの恨みと執念で周到に計画したのに「そりゃナイよ!」って感じですが、それ以上に主人公が慧眼だったってことで。彼の探偵譚をもっと読みたい気持ちが高まりました。2018/04/25

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