内容説明
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カフカが生涯書き続けた日記、手紙、ノートの中から、夢のメモ、箴言、詩を精選。人間カフカの凝縮された言葉の数々が、鋭利な刃物のように読者の日常を脅かす。小説ではない、もう一つのカフカを一冊に。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふるい
17
ひと月ほどかけ、夜寝る前の時間にポツポツと読んでた。よかった。絶望、悪夢、その先へ。2019/02/10
白義
17
「君と世界との決闘においては、世界に介添せよ」小説以外から選ばれたカフカの箴言集。言葉により、世界全てが凝固し、道を引き返すその瞬間を凍結したような、神秘的であると同時に腑に落ちてくる言葉が多い。アフォリズムの彼シリーズは多くの文学的キャラクターの元形<弱くとろいアウトサイダー>の核心に迫っている。これは同時によくいるコミュ弱者のことでもあるのだけど。世界の外側からこちらに投げ込まれ、右往左往させられること自体の不条理さを、ありとあらゆる生活的リアリティーを超えて言葉にしている2012/09/25
ドン•マルロー
15
本が、言葉が、文章が、目を恐れて、貝が殻を閉じるように、すべてのページを糊付けした……2018/12/30
どらがあんこ
14
何かを探るように「書くこと」について言及しつつも、決してそれは流れ続けるのをやめない。それは強度を持った水路となり、同時に逃げ道の役割を担うだろう。私はロビンソンの描写が好き。(岩波の寓話集でも取り上げられていたけど)2019/03/26
あなた
9
ベンヤミンがいうように、カフカは挫折を反転するひとだった。矛盾を警句にたたきこみながら、それをバネにして思いっきり跳躍(ジャンピング)していく。仕事がつらくてしゃーないときはカフカのアフォリズムをとうぜん読んでいる。そのためにマックス・ブロートは焼却しなかったんだろうし、反転=変転のプリンスがわたしのこの人生を掬い取ってくれるのだと俺は信じてやまない。しかし、その思いすらもすかさずカフカに反転されるのだった。ああ、なんてえこった2009/07/18