- ホーム
- > 電子書籍
- > 趣味・生活(スポーツ/アウトドア)
内容説明
1964年東京五輪では、旧国立競技場は新記録が出やすいと評判になりました。そのトラックを生み出した技術者の願いは「100m走で10秒を切る、という人類未到の大記録」でした。スポーツにおいて好記録・好プレーを目指すのは、アスリートやコーチばかりではありません。本書は、人類を早く泳がせ、走らせ、最高のパフォーマンスをさせようと努力しているスポーツ用具と設備の技術開発にスポットライトを当て、その面白さと意義を豊富な取材によって解説します。
水泳においても、競泳水着の進歩が記録向上に不可欠でした。バルセロナ五輪女子200m平泳ぎで優勝した岩崎恭子選手の記録は、その56年前の1936年ベルリン五輪の前畑秀子選手に比べて、40秒近くも向上していました。高速化した要因にはもちろん、先進的な泳法、練習メソッド、メンタルトレーニング法、コーチング術、栄養管理などの進化がありますが、本書でスポットを当てるのは水着の進化です。
スポーツ用具や設備の開発にあたる技術者たちは格別有名でも、天才でもなく、ものづくりの運命を偶然与えられた人たちに過ぎませんが、理想を目指して努力を重ねる魂は、日本のものづくりの実力や、テクノロジーの強さとも深く通じるものがあります。テクノロジーの進歩を避けては、スポーツにおけるアスリートのパフォーマンス向上は語れないことを知らせてくれるのが本書です。
「本書を読まずしてスポーツは語れない」
元文部科学大臣・衆議院議員 馳 浩氏 推薦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
牧神の午後
5
テクノロジーといってもビッグデータによる云々ではなく、道具の進化、たとえば陸上におけるアンツーカやゴルフボール、テニスラケット等の進化によって記録も伸びて、場合によっては競技のルールさえも左右してきた。逆にその道具に最適化された身体の使い方になるから、昔の人がタイムスリップしてきても、おそらくは必ずしも記録が出せないだろう、といったなかなか興味深い内容。ただ、競技や道具を章ごとにフォーカスしているんで、全体的にはとっちらかった印象になったのが残念。2019/04/29
アキ
4
1964年東京オリンピックから現在までの記録が飛躍的に伸びたのはスポーツにかかわる器具の進化が大きい。2020年東京五輪でも期待される日本の器具メーカーに取材し、内容をまとめたもの。競泳用水着・陸上競技のサーフェイス・ゴルフ器具など興味深かったが、一番の驚きは五輪関係ないけど、Araiのヘルメット!バイク乗りなのでよく知ってるが、すべて手づくりで、顧客満足度・品質評価も12年連続世界一!しかも先代の社長は小学校しか出てないって!人間やっぱり情熱と信念だね。著者の北岡さんも専業主婦から癒し工学の大学教授っ!2018/02/02
yyhhyy
2
水着、スターター他各種技術の資料集的紹介。情緒的コメントも多く本としてのフォーカスがなく読み難いが、こんなマニアックな紹介もなかなかないので貴重な本。2018/07/29
Toru Fujitsuka
0
テクノロジーが変わるとアスリートが鍛える方法が変わるのは新鮮だった アスリートを支えるテクノロジーの影響を理解できた2018/02/13