内容説明
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埼玉県は蓮田の小さな蔵、神亀酒造七代目蔵元、小川原良征が造りの全量を純米酒に切り替えてから二十年。小川原を支えたのは戦中、蔵を守った祖母くらへの愛情と蔵再建への情熱だった。それは同時に業界からの批判や税務署からの圧力との闘いでもあった。今その名は広く知られる。しかし、闘いはつづく。「日本酒は稲作文化の生んだ偉大な華」の信念をたぎらせながら、これからも…。
目次
第1章 白ワインに負けぬ酒
第2章 女の細腕で守った蔵
第3章 トトロの森で醸す
第4章 農への心意気
第5章 万華鏡の酒
第6章 酒蔵再生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koji
20
理想の純米酒造りに生涯を賭けた小川原良征さん(埼玉県蓮田市の神亀酒造前社長)の半世紀(2017年70歳で永眠)。本書の魅力は、小川原さんの情熱の磁力に引き寄せらる人々の描写。①無口で頑固な原杜氏、②正にほそ腕繁盛記の祖母くら、③瓶のラベルを描いた親友の娘もも(重い障害者)、④小川原に薫陶を受けた森喜、工藤ら女性蔵元等々。そして最も読み応えがあるのは、利権者を遇する酒税法を楯に理不尽な対応をとる税務署との闘い。本文で語られる「日本には酒税法はあっても酒造法はない」。日本酒を愛する人々に訴えかける重い言葉です2020/07/27
澄
16
純米酒造りにかけた蔵元の情熱はすごい。新亀酒造だけでなく神亀酒造と関わっていく地方の蔵元、販売店等など、皆、日本酒が好きなんだと実感。日本酒造りの話だが、日本酒にかぎらず好きなことに情熱を捧げることに何か学べることがあると思う。今夜は地元の寒梅酒造の純米酒をチェーサー燗で頂きました。2015/01/18
澄
10
【再読】年末から神亀樽酒、ひこ孫凡愚を呑んでいたので。神亀以外に紹介されてる酒蔵の純米酒も呑んでみたい。しかしから神亀の純米吟醸のぬる燗は最高!熱燗もまた違った味が楽しめる。是非一度は神亀の純米吟醸を飲してほしいな〜2016/01/02
diesuk
6
銀座の角打ちで知り合ったお姉様に教えていただいた本。日本酒を好きになってから色々と飲んでいるけど、アル添酒は自分に合わない。そこから純米酒至上主義になった自分にとって、神亀酒造の小川原さんは神様のような人だ。三増酒が一般的な時代に全量純米に切り替え、多くの後進を育ててきた。彼の尽力がなかったら、自分も日本酒を好きになってなかったかもしれない。小川原さんの作った酒を飲みたいと思っていたら、昨年の春に亡くなっていることを知った。でも神亀には三年寝かせてから出荷するお酒があるので、それを飲んで彼を偲ぼうと思う。2018/02/16
佐々陽太朗(K.Tsubota)
3
日本酒について、教えられ、考えさせられるところ多い本です。埼玉県は蓮田の小さな蔵、神亀酒造七代目蔵元、小川原良征氏が昔ながらの酒造りにこだわり、造りの全量を純米酒に切り替えることによって本物の日本酒を全国に知らしめていった軌跡を追う。この本を読むと、小川原氏のような方がいて、我々が美味しい酒をいただけるのだという感謝の念でいっぱいになる。実際に「ひこ孫」を飲んで、これが本来の熟成酒なのだと再確認した次第。ありがとうございます。2010/01/09
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