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内容説明
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二一世紀に入り、日本の森は一大転換期にある。国産材の需要が高まる中、現場には大型機械が導入され、一〇〇ヘクタール以上の大規模な伐採も行われている。しかし造林がなされず、荒地となった林地も少なくない。さらに林業従事者の減少と高齢化に歯止めがかからず、これで打ち止めにするための伐採も散見される。国際森林年を契機として、山の人も街の人も、日本の森の未来をじっくりと考えてみよう。
目次
序章 日本の森は、どこへ行くのか
第1章 かくして国産材は消えた
第2章 森が変わる、林業が変わる
第3章 混迷する森の現場・街の現場
第4章 森が街に向かう道
終章 美しい森から考える「大林業」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桃の種
5
林業という産業がいかにフレキシブルさに欠けているか気付いた。超長期スパンでの商売ではあるけど、今、充分に資源はありふれている、恵まれていると思う。それをどう活かしていくのか、いかに売り手チームが手を組んで買い手のニーズに応えていくか工夫していかなければならない2020/02/20
gotomegu
3
最近多くの林業関連のひとと会っている。新聞記者、林家、大工さん。いろんな話を聞くたびに疑問に思っていた、50年前に大量に植林された杉・檜はなぜこんなに安いのか?、国産材は合板メーカーなどにはいやがられているのはなぜか?、なぜ林業は儲からないのか?、逆にうまくいっている林家は何をしているのか?。この本は実際に起こっていることをわかりやすく説明されている。国の政策は材料生産の部分だけ変革されていて、植える、育てるなどの長期的な目線が足りない。生産から消費者まで、スムーズな流れが課題。今はぶつ切りの状態である。2017/01/21
Sanchai
3
新聞の書評で見た。以前『里山資本主義』を読んで中国山地での木材ペレット製造による資源の域内循環の話が出ていたが、そういう部分最適の話の一方で、産業としての林業を考えていく上では、もっと広く日本の森林について知っておく必要があると思って読んでみることにした。森林の歴史、国産材の需給関係、伐採後の植林など、日本が高齢化し、人口が減っていく中で、持続可能な森林経営が困難になりつつある様子が、よくまとめられている。2014/06/10
shigoro
3
高齢化で後継ぎが居ないとか、戦後から作業効率があまり発展していないシステムとか、維持費がかかるで放置すつづける山林など、林業は農業と同じ一次産業なので似ている問題部分を持っている。木材そのものでは利益が薄いため、コスト削減か、材木に付加価値を見出し価格を上げるしかない。森林維持のため、加工側のメーカーや営業マンが森林の状況など説明して、消費者にも理解を求めて買ってもらう必要があるな。 2011/08/26
桃の種
1
以前読んだことを忘れていた。林業に関してくだけた文でわかりやすかった。ただ、勘違いであれば申し訳ないが、どこかで見たことのある文章がある気がした。2020/11/19