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内容説明
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寝たきりの母を持つ詩人は、死とはどういうものか知りたかった。他の人にあけすけに聞けない、「でも石牟礼さんなら」。これまで多くの苦しみと死を見つめてきた作家は、切実なことをぐさりと言われたような気がした。こうして十二月の穏やかな日、二人は語りはじめた。老いと病、介護・看護、家族の死、さらには『梁塵秘抄』。そして「いつかは浄土へ」という祈りに至る安らぎの対話。
目次
第1章 飢えと空襲の中で見たもの(パーキンソン症候群-読めなくなる、書けなくなる
声が出なくなるかもしれない ほか)
第2章 印象に残っている死とは(祖母の死
あの世は「良か所」 ほか)
第3章 それぞれの「願い」(『あやとりの記』-流々草花
お経はどこで習いましたか ほか)
第4章 いつかは浄土へ参るべき(『梁塵秘抄』を飛び飛びに読む
「我等も終には仏なり」 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寛生
46
【図書館】あまりにも均衡がとれていない対話だという印象を拭えない。それでも、誠実に応対していく石牟の「やわらかいいのち」が香を放つ。痛々しい生を全うしていく石牟。自分が可愛がられ、弟に申し訳ないという気持ち。弟が亡くなったとき、これで楽になったと想う石牟。涙を流しながら生きていく石牟は巫女のように祈り、願い、歌をよむ。食を求めて家に訪ねてくる人たちを石牟の母は仏様かもしれないと、決して裕福でもない家から、貧しい仏たちに合掌をし、お辞儀をして、米を分け与えていく。石牟のコトバが舞う。2014/05/12
秋 眉雄
15
石牟礼「散らばるというよりか、私はどっかの葦の葉っぱかなんかに、ちょっと腰掛けていたいような気がする(笑)。」伊藤「それが死?散らばって腰掛けている状態ですか。」石牟礼「そうですね、風にそよいで、草の葉っぱかなんかにね。」/石牟礼道子さん・平成30年2月10日逝去。2018/02/25
ぱせり
6
この対談のなかに名前が出てきた人々の多くはもういない。「生きることは、この世に用があって生きている」「最期まで生ききる」「我らもいつかは浄土へ参るべき」という言葉を反芻しながら、必ず訪れる自分の死と、その前に(たぶん)確実に見送らなければならない何人かの身近な人々の死を、私はどのように迎えられるだろうか。2024/12/08
還暦院erk
4
図書館本。こういう本は、わたしの場合、余命が見えてきてからは手にすることが出来ないだろうなあと思った。『梁塵秘抄』は本当に唱えたくなる古典の一つだ…『日本霊異記』も面白そう。ところで、石牟礼さんと伊藤さんの会話が所々かみあってないのは何故だろう。対談編集の段階で齟齬を削ったりしてない、もしくは編集したからかえってそうなっちゃった?2016/02/16
午後
1
「このからだそらのみぢんにちらばれ」、石牟礼道子の中に息づく、アニミズム的な感覚の深さに、畏れのようなものを感じた。伊藤比呂美にも言えることだけど千年も前の言葉を、共鳴するみたいにすっと読み込んでいるのがすごい。自然とか、死とか、生きることの根本にあるなにかが、今の若者である自分とまるっきりちがって驚く。2018/02/09
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