平凡社新書<br> 市民社会とは何か

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平凡社新書
市民社会とは何か

  • 著者名:植村邦彦
  • 価格 ¥1,034(本体¥940)
  • 平凡社(2017/12発売)
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  • ISBN:9784582855593

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内容説明

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市民社会(civil society)とは、国家とは別の「民間部門」なのか。それとも、「公共部門」とは別の、人々の連帯なのか。社会科学の基本中の基本概念を、西洋古代から現代の日本まで的確に説き起こした待望の概説書、必携の教科書。

目次

序章 「市民社会」とは何か
第1章 「国家共同体」としての「市民社会」-アリストテレスからロックまで
第2章 「市民社会」と「文明社会」-ルソー・ファーガスン・スミス
第3章 「市民社会」概念の転換-ガルヴェ訳『国富論』とヘーゲル
第4章 「市民社会」から「資本主義社会」へ-ヘーゲルとマルクス
第5章 「市民社会」という日本語の成立
第6章 市民社会派マルクス主義
第7章 市民社会論の終焉
第8章 現代の「市民社会」論
終章 「市民社会」とは何だったのか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mstr_kk

10
読みやすく、勉強になる本でした。「市民社会」という言葉は本来アリストテレスに由来し、国家共同体を意味していた。それがヨーロッパ思想の中で紆余曲折を経て、ヘーゲルからマルクスに受け継がれ、資本主義社会を意味した時期がある。この概念が日本に輸入されると、講座派的日本資本主義論と結びついて独特の規範的理念となり、戦後民主主義的市民社会論を生んだ。だが日本の経済大国化の中、市民社会論は変革理念ではありえなくなり、「会社主義」に敗れ去る。そして「会社主義」さえ崩壊した現在の市民社会論は、新自由主義に横領されている。2018/06/07

Mealla0v0

6
市民社会civil societyの概念は古代ギリシアにまで辿れるが、それは元来「国家共同体」の意味であった。近代初期に至り、ルソー、スミスにおいて「文明化社会civilized society」の意味が加わった。だが、市民社会の概念が国家とは区別された領域として措定されるのはヘーゲルの欲求の体系だった。さらにマルクスを経て、資本主義社会の意味が付与される。このラインから日本へ市民社会概念が導入されると、日本資本主義論争の影響を蒙って、市民社会が独特の理想へと変容していく。追いつくべき理想としての市民社会2021/12/26

D.Okada

5
「必要なのは、政府に対して、労働者派遣法に代表されるような新自由主義的政策の転換を求めるとともに、社会国家の再構築を求めることである。非正規労働者の労働条件を改善し、安易な解雇を規制し、生活保護対象者の補足率を引き上げ、社会保障を再構築するように求めること。同時に、『民意』を反映させるための政治的回路の構築を主張し求めること。そして、さらにその先を見据えて、企業内部の労使交渉の場で、また政治的公共圏で、労働時間の短縮を粘り強く主張」すること。2011/01/13

Ex libris 毒餃子

4
市民社会 という語の発生から意味合いのヨーロッパでの変遷から日本での需要のされ方についての本。日本ではマルクス経由で輸入された概念になるのでどうしてもマルクス主義的側面が強いがもともとはそうでもない語のようである。マルクス以前の市民社会という語の意味合いが知れて良かった(というのも、特定のワードの意味をどのように措定するかで本稿の意味が変わるなんてザラだからである)。社会思想史関連ということで経済学カテゴリーに2014/04/13

Ikkoku-Kan Is Forever..!!

3
「市民社会」という言葉の歴史がアリストテレスの〈πολιτικη κοινωνια〉(政治学)に遡って論じられる。エーレンベルクの『市民社会論』が物語的だとすると、本書はかなり辞書的である。「市民社会」の語史を論じる筆者の問題意識は、日本語の「市民社会」が持つ独特なイメージの起源を探ること。筆者はそこに内田義彦の市民社会論の影響をみるが、語史に徹するあまり、戦後日本の「市民社会」という単語を本来の意味からの逸脱と解し批判的論調が目立つ。そこは「戦後民主主義」の意味論として検討すればイイのではと思うが・・・2015/08/24

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