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内容説明
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「ハーバード白熱教室」での鮮やかな講義と、核心を衝く哲学の議論で、一大旋風を巻き起こした政治哲学者マイケル・サンデル。彼自身の思想と「コミュニタリアニズム」について、サンデルがもっとも信頼を寄せる著者が、その全貌を余すところなく記した。
目次
序 新しい「知」と「美徳」の時代へ-なぜ、このような大反響となったのか
第1講 「ハーバード講義」の思想的エッセンス-『正義』の探求のために
第2講 ロールズの魔術を解く-『リベラリズムと正義の限界』の解読
第3講 共和主義の再生を目指して-『民主政の不満』のアメリカ史像
第4講 「遺伝子工学による人間改造」反対論-『完成に反対する理由』の生命倫理
第5講 コミュニタリアニズム的共和主義の展開-『公共哲学』論集の洞察
最終講 「本来の正義」とは何か?-正義論批判から新・正義論へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
32
少し目を通したが、まず著書の「これからの正義の話し」を読んでから読もうと思う。2011/10/29
樋口佳之
24
賃労働が自由と両立しうるかどうか」という問題が生じた。今日では賃労働の存在は自明だが、当時はそれ自体の正当性が疑われた/労働運動は公民的な人格形成を可能にするために一日八時間労働を主張/ブッシュ大統領がなぜ二〇〇四年に再選されたかというと、道徳的価値に基づく票が圧倒的にブッシュに行ったからで/民主党は、「政府は中立的であるべきである」という考え方に固執しているので、公共的生活が非常に空虚になっており、この結果、道徳的多数派のような狭い道徳主義が力を得て、共和党の勝利を招いている。2018/05/29
おおにし
14
(読書会課題本)対話型講義で有名なサンデル教授なので、リベラリズムへの批判は鮮明だが、自身のコミュニタリアニズムの解説には曖昧なところが多いように感じる。議論をふっかけられることを避けているというわけではなく、美徳とか共通善というコミュニタリアニズムの概念を、現代の政治システムに実装する段階まで到達していないための曖昧さなのではないかと思う。2024/06/18
Nobu A
14
小林正弥著書初読。10年刊行。随分前に購入し、書架に眠っていた本著。某哲学本を読み、思い出して引き出した次第。「ハーバード白熱教室」で一世風靡した感があるサンデル教授。複数冊読了済みだけに客観的な批評が絶妙な化学反応を起こす。サンデル本の醍醐味は舞台に引き込まれそうになる感覚、所謂近景。本著は遠景で記憶を蘇らせる。幸先良い出だし。しかし、実例や思想を平易な表現で精緻に言語化しているからこそ引き込まれるのに対し、学術的になると政治哲学の門外漢は一知半解気味になる。集中力が切れ、後半流し読み読了。再読かな。2023/02/25
nonnomarukari(ノンノ〇(仮))
10
今話題のサンデル教授の政治哲学についてわかりやすく書いた本。うん、ミルとかロールズは名前とかちょっとした理論は知っていたけれども、こうやって詳しく説明されたらあれそうだったけとなってしまっている(笑)。サンデル教授がロールズを批判していたなんて知らなかったな。今の民主主義政治の閉塞感に危機感を感じ、共和主義の復権を目指している事が分かりやすく書かれている。でも、日本ではサンデルの対話型の講義形式が評判で彼の政治哲学についてはあんまり詳しく評判になっていないような気がしないでもないような・・・。2011/02/20