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内容説明
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いわく、「イギリスはゆとりの国」「大人の国」…。そんなイギリス礼賛の風潮はまだまだあるが、ちょっと待った。こういうのは、階級社会の「いいトコ」の不当な一般化にすぎない。「ゆとり」にしても、むしろ「あきらめ」の果ての境地というべきだ。歴史をひもとけば、ざくざく出てくる身勝手な悪行。なんで日本人はイギリスがそんなに好きなのか?好きならちゃんと現実から見習うべき。愛するがゆえのダメ出し、イギリス一刀両断。
目次
第1章 さまざまな顔を持つイギリス人
第2章 イギリスびいきは「片思い」
第3章 「ゆとり」の正体
第4章 なんたる身勝手な「同盟国」
第5章 テロの遠因・大英帝国
第6章 少しは反省したらどうだ
第7章 英語ペラペラは偉いのか
第8章 好きならちゃんと見習うべき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
26
日本人が抱くイギリスに対するイメージ、ステレオタイプは一面に過ぎないことを様々な事例を通して紹介する。私としては、当たり前な話が多かったが、本書が書かれた年はまだ20世紀で、イギリスを知っている日本人の多くが中産階級以上の学者やインテリが多く、その彼らが接していたイギリス人は、ジェントリー以上の人々が多かったからではないかと思われる。もちろんビートルズを通して、労働階級の文化も日本に伝わってきているので、知っている人は知っているだろうが。一面的な理解に止まっている人に読ませるのにはちょうど良い一冊である。2017/01/20
しゅん
12
2003年当時の、英国についての偏りある礼賛視線に対して「もうちょっと現実みなさいよ」とツッコむ本。著者が英国時に体験したことと歴史的な記述が両方あってバランスがよい。もったいぶった書きぶりのゆとり教育にはちょっと困惑したけど。海外諸国に対する英国のイメージ戦略の巧みさとか、日露戦争における日英同盟の効果とかは知ることができてよかった。2019/04/07
ダンボー1号
9
EU脱退か❓英国人の思考回路知りたかったが・・・2003年の発行だから古すぎた」。日本人が思うほど英国紳士はいないということでした。2016/06/13
父さん坊や
6
この作者、林さんは口語と文語の区別が余りなく、いろんな意味で文章作法が悪いので、最初は読めなかった。***しかし彼の書きっぷりに慣れたいま、評価が変わった。内容的に新しい事実が多い、主張は気取らずまっすぐでまとも、読書からたくさんのものを得ることができる。端的に言えば好きだ。***アマゾンの評価もふるわないし、査読されると即刻突き返されそうな書き方だが、先入観なしに読んでほしい。2018/01/04
マッピー
6
これでもイギリスが好きですか? はい。好きです。 イギリスが今も厳然たる階級社会であることは知っています。 でも、子どもの頃から読み親しんできたイギリス文学がやっぱり好きなのよ。 だからこの本の最初の方、イギリスってこんなところの羅列はちょっとつまらなかった。 わかりやすいイメージという配慮なのかもしれないけれど、著者の個人的なエピソードが多く書かれているのも、却って趣旨がわかりにくくなっていたように思う。 でも、日本とイギリスの、近代からの関わり方について書かれた後半は面白かった。 2016/03/05