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内容説明
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ペンギンやマンボウは海中で、ミズナギドリや鵜は大海原で、どうやって餌を捕り、活動しているのだろうか?観察できない動物の行動を調べる-そんな研究が、記録装置「データロガー」を取り付けることで可能になった。動物自らがとってきたデータから、泳ぎ、羽ばたく野生の姿を、生き生きと再現する。現生動物から翼竜まで、動物たちの知られざる姿が明らかに。
目次
第1章 大きな動物はやっぱり速く泳ぐ
第2章 亀はなぜゆっくり泳ぐのか
第3章 マンボウも、やるときはやる
第4章 釣り人ヨーロッパヒメウ
第5章 樹に登らないオオミズナギドリ
第6章 巨体翼竜は飛び続けられない
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
111
表題については最後の章だけでの話ですが、ペンギンや亀あるいはマンボウなどについての話は結構面白いものがありました。やはり鳥類が専門なのでしょう。ヒメウやオオミズナギドリについての話などは今までに聞いたことがないようなこともあり参考になりました。2015/11/19
AICHAN
49
図書館本。映画『ジュラシック・パーク』では翼竜が軽快に空を飛んでいた。羽毛ではないあんな翼でホントに飛べたんかいなと少しは思ったが、コウモリのようなものと考えれば飛べたような気もしてくる。著者は海生動物や鳥類に小さな測定機器を取り付けて、その動物の生体を研究し続けている。その研究ではさまざまな貴重な知見が得られているようだ。では翼竜は? 古生物学者が推測する翼竜の体重では小型翼竜なら飛べたが巨大翼竜は飛べなかったと推理する。その体重では筋肉量が足りないといった問題があるという。2018/11/12
ばりぼー
37
データロガー(小型記録装置)を取り付けて、観察だけでは把握できない動物の行動を、スケール(サイズ)との関係で調査研究した書。『ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ』という自著の部分否定からスタート、動物たちは自分の体サイズに応じて動き方をかえなければならないことを丁寧に検証して、現生のミズナギドリ目鳥類の行動比較から、持続飛翔が可能な最大サイズは翼開長5.1メートル、体重41キログラムだとし、小型翼竜は連続的な羽ばたきによる持続的飛翔は可能でも、巨大翼竜は飛び続けられないという仮説を提唱しています。2017/03/14
佐島楓
29
生物学上のかなり専門的な話も多いので、一見とっつきにくい。けれど、データロガーと呼ばれる測定器を元に緻密な分析を行っていく様子はさすが研究者。トライ&エラーを繰り返し、フィールドにもどんどん進出する。なかなか凄い。良い本を読ませていただいた。2013/05/26
鐵太郎
20
題名のような、翼竜に関する面白い話を期待したら落胆します。この本は、この題名を論ずるまでのバイオロギングサイエンスに関するいろいろな話が全体の九割。佐藤准教授の、データロガーを使った動物観察に関するあれこれの話についていけない人は脱落します。最後に、実測したデータを統計的に整理し、41kgという数字をはじき出します。ここが面白いところかな。で、巨大翼竜は飛べたのか、に関しては、現状の推論では無理じゃない?と。であれば、条件を考え直してみたらどうだろう、という。こういう柔軟なアプローチもありなのですね。2016/06/03