内容説明
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
哲学者は何をどこまで思考したのか。歴史の構造ではなく状況の理論をこそ追求しつづけた曲折の全域を探査し、歴史の特異点に向けて、はじまりのために空虚をこじ開け、理論と実践、哲学と政治の連結と差異を消尽点にまで追いつめ、マルクス主義の境まで越えてなお、現時点に理論的に介入する、その思考の振舞いをこそ手に入れる。第一人者による待望のアルチュセール論。
目次
第1章 状況conjonctureの理論(一九六七年
ある誤解と失敗-モンテスキューとマキァヴェッリ ほか)
第2章 主体の論理(なにが不在であるのか?
イデオロギーのほうへ ほか)
第3章 政治とはなにか、哲学とはなにか(哲学の対象としての状況/政治
連結から二重化へ-「哲学的治療」の技術 ほか)
第4章 最後の切断(状況の理論としての出会いの唯物論
哲学においてマルクス主義者であること ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
amanon
0
アルチュセール関連の書物を手に取るのは、何年振りか。一応、アルチュセールで大学院の修士論文を書いたという経緯があるのだけれど、その捉えどころのなさに、殆ど嫌気がさして、以来アルチュセールは封印してきたつもりだった。しかし、この書には何となし惹かれるものを感じて、手に取ってみたものの、かなり難解な代物。何せ死後世に出た作品への言及が多く、それらの書物には全く手を付けていないため、分かりにくいことおびただしい。ただ、本書を読んで、アルチュセールという人は、色々な意味でややこしい人だったと改めて思わせられた。2011/02/19