竹書房文庫<br> 虚ろなる十月の夜に

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竹書房文庫
虚ろなる十月の夜に

  • ISBN:9784801912670

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内容説明

切り裂き魔(ジャック)に吸血鬼(ドラキュラ)、名探偵(ホームズ)
いずれ劣らぬ曲者たちが旧き神々(クトゥルー)に対峙する――

十月の終わりの万聖節前夜に、そのゲームは行われる。
《閉じる者》と《開く者》、旧き神々を崇拝する者たちとそれを阻止せんとする者たちの、
世界の変革と保持を巡る戦い──《大いなる儀式》が。
御主人切り裂きジャックと使い魔である犬のスナッフもまた、《大いなる儀式》の参加者である。
彼らが来た村には、ドラキュラ伯爵、フランケンシュタイン博士らの姿があり、
使い魔たちは儀式へ向け情報を集めている。
スナッフは魔女ジルの使い魔である猫のグレイモークと頻繁に情報を交換するが、
果たして彼女たちが味方なのかすらもわからないのだ。
そして儀式の日が迫る中、参加者たちの周りに名探偵シャーロック・ホームズの影が見え隠れする──。
著名なキャラクターたちとクトゥルー神話を融合させ、
ネビュラ賞候補作ともなった、奇想横溢のゼラズニイ最後の長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nuit@積読消化中

118
ゼラズニイ初読み。なんとも不思議なお話。魔女、狼男、伯爵(ドラキュラ?)、博士(フランケンシュタイン?)、名探偵(ホームズ?)等々、他にも多数登場し、彼らが何やらゲームをプレイしているのだが、私自身がこの手の本を読み慣れていないせいか、何が何やら…(汗)。しかしながら、優秀かつ勇敢な犬のスナッフと猫のグレイモークの見た幻夢境の地誌には、読んでいる自分もとても魅せられました。2018/02/05

HANA

61
霧の都の殺人鬼、ベーカー街の探偵、死者の蘇生を企てる博士、東欧の伯爵。彼らが十月に集い世界の変革を賭けたゲームが始まる。こういうクロスオーバー作品大好きなので、期待しつつ読んだのだが…。彼らが入り乱れての丁々発止の大戦争を期待したのだが、全編使い魔の視線から語られるので兎に角地味。あと双眼鏡で近くの物見てるみたいで、全体像が分かりにくい。何より使い魔同士のやり取りが主なので彼らほとんど登場しないのが致命的。戦争が起きているのは確かなのだろうけど、舞台裏の日常を延々と見せられている様で、退屈な作品でした。2020/10/06

眠る山猫屋

59
ゼラズニイらしからぬ物語に戸惑いながら(表紙や翻訳のせいか?)読み進めたら、次第に面白くなっていった作品。クトゥルー神群を召喚する者共と阻止しようとする者たち。主人公は阻止する側の切り裂きジャックーーの相棒の犬・スナッフ。犬です。犬ですよ。そして仲良しは敵側魔女のパートナー、猫のグレイモーク。誰が敵で誰が味方か混迷とした中で、潰し合い。あの伯爵やあの名探偵も登場、魅せてくれます。面白かったけど、本当にゼラズニイ?2019/04/06

sin

56
その文体のかっこよさに翻訳作品は総て追いかけたことのあるゼラズニイの新たな翻訳に、しかもクトゥルー神話を題材としているもので在ることに感激している。語り手は、世紀末あの霧の都市を揺るがせたジャックに使える犬のスナッフで、ある大いなる儀式を控えて、その属する陣営を探りつつ他のプレーヤーの使い魔たちとの交流と、個性的なプレーヤー候補者の探索と、無作法なプレーヤーの妨害の有り様を一人称騙りで綴られていく…果たして古の神々を呼び覚ます者は誰で、そして対向者は阻止する事が出来たのであろうか?2019/05/12

Gannet

38
ゴシックホラーのオマージュで楽しい作品でした。切り裂きジャック、吸血鬼、魔女、狼人間、フランケンシュタイン博士、シャーロック・ホームズなどがチラチラ登場しますが、実際に活躍するのは使い魔である小動物たちです。ハロウィンの夜と満月が重なる時、門が開かれて古の神(クトゥルフ)が復活するという。門が出現する場所も、誰が参加者(門を《開く者》、《閉じる者》)なのかも自分以外は分かかりません。語り手はジャックの番犬で、他の使い魔達(ネコ、コウモリ、フクロウ、ヘビなど)と→2021/10/08

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