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内容説明
日本社会に深く巣食う「空気」の正体。
今年の流行語大賞の有力候補のひとつである「忖度」。安倍晋三首相の森友・加計学園問題に端を発し、急速に広まった言葉だが、これは流行語には終わらない、日本社会に深く巣食う病理を表わす言葉でもある。
ここでクローズアップされた官僚や政治家の忖度は「先回りの服従」というべきものだが、一強が、同じ意見の人をお友達にしたり、寵愛したりすればするほど、周囲の忖度は過剰になっていく。
その体質は、相手がお殿様であり、天皇であり、米国であり、社長であり、時代が変わって相手が変わっても、我々の国に根深く潜んでいる。政治の場のみならず、会社や学校、また、医療の現場など、様々な場で「忖度バカ」が生まれ、忖度疲労を起こしているのだ。
森友・加計学園問題で忖度してきた人たちは、「記憶にない」「記録がない」とシラを切ることで忠誠心を示そうとしたのだろうが、雲行きが悪くなれば、あっという間にトカゲのしっぽ切り。忖度バカの末路は哀れである。
病的な忖度はなぜ生まれるのか。
では、そうならないためにはどうしたらいいのか。
様々な「忖度」のパターンを検証し、その「空気」に負けない生き方を提唱する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
29
久しぶりに鎌田先生の著書を読んだ。いろいろな現象から、今の日本の馬鹿げた忖度社会を斬っている。鎌田先生は、単刀直入、本音をズバッと文章にされるので、痛快だ。チェルノブイリの原発事故に関して、ベラルーシのノーベル文学賞作家スヴェトラーナさんとの意見交換を書いた章がよかった。福島の子供たちの甲状腺がん検査は、継続していかなければならないことがよく分かった。2018/12/23
けんとまん1007
27
いきなり表に出てしまった言葉の一つが忖度。しかも、本来の意味とは違う使い方をされてしまっている。そんな忖度病が蔓延している、今のこの国。わかっていても、建前、現状を第一とすることにつながってもいる。もちろん、そうでない人たち・場面もあるが、何となく真因に向かおうということが減ってきている。それだけ、今のこの国は、余裕がないのだろうとも思う。あとは、目の前だけさえよければということもあるのかと。2019/02/07
チャー
12
医師である著者が忖度という視点から現代社会の物事を綴った本。少し前に流行した言葉だが内容は今でも通ずる部分も少なくない。生まれた時から忖度を始めるという視点は印象的であった。他人との関係性を構築するステップとしてまず最初に家族があるが、両親の表情を見て反応を決めるという指摘は確かにある意味忖度かと感じた。一方で、他人の気持ちを理解しようとする共感との境目についての視点も興味深い。行き過ぎた共感に誤った見返りへの期待、あるいは都度生じる同調圧力やパワーバランスなども影響するようだ。2022/11/07
鉄骨構造
11
鎌田先生といえば、僕が初めて社会に出てしばらくひどくつらかったときに『◯に近い△を生きる』という本で勇気づけられたことを思い出す。「正解」は一つではない。「別解」を見つけていこう。このメッセージに当時、はっとさせられた。いわゆる正解至上主義に縛られていたんだなあ。教育の問題か?それもあるかもしれないが、冷静に振り返れば、 何でもかんでもに「正解」を求め、一辺倒にしかものを考えられなかった俺がバカだったってこともあるだろう。2018/03/12
Satoshi
6
昨年の流行語の忖度の馬鹿馬鹿しさについて、書いたものかと思い、期待せずに読んだが、忖度により真実を歪められた事件についての記載もあったので、退屈せずに読めた。2018/01/07
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