内容説明
土佐の13人の女たちから紡いだ13の物語。
おきみさん、おときさん、おまつさん……、南国土佐の女たちの人生から着想を得て、著者が初めて試みた“ルポルタージュ・フィクション”。
「司牡丹」「得月楼」「お遍路」「足摺岬」「栴檀(せんだん)」「日曜市」「長尾鶏」「竹林寺」「赤岡縞」「珊瑚」「一絃琴」「狩山紙」「やなせ杉」といった高知の特産物や風物、名所などが鍵言葉(キーワード)となり、幾何かの波乱を含んだ女たちの人生と絡み合う13の短篇集。
抗えぬ運命や襲いかかる困難に翻弄されながらも、健気に気丈夫に生きる故郷の女たちの気質が巧みに描かれている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
canacona
21
土佐の女性の短編集。どれも理不尽にも見える境遇なのに、時代なのか土佐だからなのか、全てを受け入れて弱そうでありながら逞しく生きていく姿がぐっとくる。いや、自分なら絶対耐えられないけど。妻子がいるとは知らず暮して子どもまで出来て、男性がいなくなったと思ったら、その妻子が押しかけてきて、一緒に暮らし始めて養っていくとか。年上子持ちに嫁いで、同い年のお嫁さんがやってきて、家業を担って暮らしていくとか。受け入れすぎ😅でも宮尾さんの淡々とした文章を読んでるとその理不尽さも含めて、逞しくて美しい。2021/07/01
くりこ
0
宮尾さんはストーリーテラーというか、読みやすくどんどん手がすすむのだけど、本作に関しては今いち読み進まなかった。読みやすいし、簡単なのだけど引き込まれないのはどうしてかな。2020/07/03