セイラー教授の行動経済学入門

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セイラー教授の行動経済学入門

  • ISBN:9784478002636

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内容説明

人間の現実の行動には、利己的で合理的にふるまうことを想定した従来の経済学では解明できないことが多すぎる。たとえば、参加者が多いオークションでは、落札者はしばしば、そのものの価値を超えた金額を支払う破目になる。従来の常識では説明できないこうした行動も、心理学と融合した新しい経済学ならば説明できる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いわにほ

23
行動経済学は、経済学で説明できない例外を心理学等の別分野で説明しようと試みる学問。ニンゲンの行動って【一定の固定化された式】で表せないもんね。ニンゲンの出力である行動は、その時の状態や置かれている環境によりいくらでも変わりうる。✦各章は独立している。その章内での知識立脚で話を受け取れます。✦各章の文章構成︰背景・課題提起、論拠のケーススタディ・行動経済学的立場の主張、著者にとっての解釈・解説・結論、という流れ。✦事実と意見のバランスが良い名書でした。2019/11/10

フク

20
〈「保有効果は、所有している品物の魅力よりも、主としてそれを手放す苦痛を強めるほうに働いている」〉色々なことに使えそう。2019/11/14

Francis

17
2018年ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授が自身の研究について雑誌に連載した記事をまとめたもの。これまで合理的に損得で行動すると考えられていた経済学上の人間の行動について実際にデータを取って調べ、その調査結果から分かったことを書いている。とても分かりやすい。なおこのセイラー教授の調査による論考が従来の経済学の理論を全否定するものではなく、実態を踏まえてより精緻な理論を構築しようとするものであることに注意。元記事の連載を薦めてくれた一人はノーベル経済学賞者スティグリッツ教授とのこと。2018/01/12

プランクマン

16
入門にしては難しいような。経済には様々な理論があるが、どの理論も言語化する段階において何らかの条件付けをしており、基本的にそれにおいて人は効率的、合理的な判断を下すものとなっている。しかし我々は合理的な判断をせず、ときにはあえて非合理的な判断を下すことさえある。これは人間の意思、感情、知識不足など、理論において考慮されない(できない)部分が多くあり、いうなれば理論は理想論に近いということになる。当然、世界は理論通りには動いていない。 機械(AI)だけが判断する世界になれば、理論に近づくのか…多分違う。2021/02/06

Koichiro Minematsu

12
ノーベル経済学賞のセイラー教授。合理的自己利益最大化を原理とする従来の正統派経済学に対し、セイラー教授は実験経済学において人間の非合理的側面、公共利益を動機付ける利他主義または協調性の原理を取り入れ、新体系化を構想する。人の認識の限界、制約によって行動が変わるという興味深い内容でした。2017/12/05

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