内容説明
一枚のモノクローム写真に秘められた懐かしくいとおしい日々の記憶。人生の晩年を迎えようとしている女性随筆家は、愛した男への思いを胸に生きてきた。だが、小さな出来事が平穏な生活にさざ波をたてる……。表題作「夢のかたみ」ほか、再会の一夜のドラマを綴る「チルチルの丘」など、遠い日のエロスを溢れるノスタルジーで描く。失われた時間への哀惜と感傷に満ちた5編。
目次
夢のかたみ
チルチルの丘
路地裏の家
ディオリッシモ
約束
巻末エッセイ 遠い日の情景
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けいこ
24
遠くに過ぎ去った淡い日々。どうする事もできない喪失感に打ちのめされながらも生きていくしか無い主人公たち。ゾクっとする死が絡む作品もあったけれど、ノスタルジー編だけあってどの作品も切なさが募る。特に既読だった表題作は何度読んでも寂寥感に苛まれる。2020/08/21
貴
14
日常生活の中で、過去に愛した人と実際に再会することはあり得るのでしょうか。今は幸せに暮らしていますと心の中で語りかけることは多くても現実には、消去できない携帯番号がほろ苦い思い出として、夢のかたみになってゆきます。2023/10/22
佐島楓
14
ミステリ・恋愛短編五編。どれも思わぬ結末を見る作品ばかり。「ディオリッシモ」は私も夢想したことがある内容だったので、心がざわついた。取り戻せないものは、何と多いことだろう。2013/08/10
オパール
4
失った愛、心残りを抱えた女性が主人公の短編小説集。「ディオリッシモ」と「約束」が面白かった。2026/05/17
晴
4
すごくよかったな。その情景の中に自分も入り込んでしまったようなその場の匂いや色まで思い浮かぶようなそんな、テーマであるノスタルジーを確かに感じた。読後の後味はそれぞれで色んな味が楽しめた。2020/10/11
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