内容説明
「雨はどのようにして降り、降った後はどこへ行くのか?」私たちにとっては常識とも思われるこの疑問に、科学者たちはずっと悩んできました。古代の科学者は水の循環をあれこれ想像し、現在の科学者は最新の技術を駆使し、雨の一生に迫ろうとしています。
本書は、研究の歴史を通して、雨が降るまでのメカニズム、そして、降った後もつづく地球をめぐる水の旅をわかりやすく解説します。
日常の「当たり前」のなかに「なぜ?」と思う気持ちが芽生える、雨をめぐるサイエンスヒストリーを楽しむ一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じょうこ
9
なぜ雨が降るのか?「降る前から降った後までのメカニズム」と副題にある通り、水、雲、雨粒、植物、降雨の浸透、流出、蒸発、さらに地球外の雨との比較まで丹念に紹介される。それもプラトン、アリストテレスから始まって、近代の科学者まで彼らの仮説と実験を紹介しつつ。実験装置図がとてもシンプルでわかりやすく1枚の図にまとまっている。「雨」という一貫としたテーマがあるけれど、本書は、ある意味、探究教育のテキストとして最高かもしれない。小学生では読み難いかもしれないが、じゅうぶん理解できる、科学の眼を育てられる本だと思った2025/06/13
_apojun_
5
図書館本。 雲はどうやってできるのか、雲の中で雨はどうやって粒になるのか、に始まり、地表に降った雨はどうなるのか、蒸発とは何なのか、までタイトル通り雨の一生をしっかりと教えてくれる一冊。 過去の気象学者たちがそういった疑問を解決するために実験した際の装置の解説が面白い。こんな単純な装置でも、歴史に名を残すような発見ができるのかと、先人たちの知恵と発想に感服。 最後は土星の衛星タイタンで降る雨との比較なんかも載っていて、知識欲が満たされました。2024/12/22
summerman
1
前書きにあるように雨の知識というよりは水流関係の研究史を語る本。率直に言えば平凡、もしくはそれ以下って感じかしら。ちょくちょく面白いエピソードもあるけど…まあ「あるけど」止まりの本よ。これも典型的な研修者目線の書き手よね。研修者の知識を一般読者の目線で語るのがこの手の読み物の役目じゃないのかい?違うのかい?後半なんか我慢出来ずに学者の話ばっかりでよお。そりゃこっちも大人なんで理解できないわけじゃないけどよお。絶対もっと良い本があるわと思いながらの読書ってなんか不幸な体験よね。2023/03/31
cochou
1
降雨の流出-雨はどんな経路で川にたどりつくのか? ホートン仮説は森の地表流説 ハーシュは速い地下水流 ウイプキーは地表流なし、浸透しにくいローム層で地中洪水流できる ヒューレットは流域のごく一部で地表流発生の部分寄与域概念 手入れされないヒノキ林でホートン地表流発生 雨量から河川水量を推定 合理式は雨量データのみ 単位図法は単位図のハイドログラフを合成 タンクモデルは穴の空いたタンク 分布型流出モデルは雨の分布の違いを反映2023/01/16
unusb
1
「地球ではどうして雨が降るのか」,「その雨は何処へ行くのか」といった純粋な疑問に対し,現在の科学的知見を基に懇切丁寧に答えている.重要な法則・発見をした人物のエピソードや,筆者の経験などが随所に盛り込まれているところは,本書をとても読みやすくしている.特に,大気だけでなく,地上・河川・地中といった陸地での雨の行方が非常にわかりやすくまとめられており,初学者でもわかりやすいと感じた.また,地球大気を記述する上でタイタンと比較していたのはとても面白かった.関連する原著論文を読み,さらに理解したいと思える一冊.2017/07/10
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