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内容説明
太平洋戦争末期に実施された“特別攻撃隊”により、多くの若者が亡くなっていった。だが、「必ず死んでこい」という上官の命令に背き、9回の出撃から生還した特攻兵がいた。その特攻兵、佐々木友次氏に鴻上尚史氏がインタビュー。飛行機がただ好きだった男が、なぜ、絶対命令から免れ、命の尊厳を守りぬけたのか。命を消費する日本型組織から抜け出すには。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
236
太平洋戦争時9回特攻に出撃し、9回生き延びた陸軍第一回の軍神と呼ばれた特攻隊員の佐々木氏。著者は高齢の佐々木氏にインタビューし当時の記録や証言をもとにこの本をまとめている。特攻というとなにか自分で志願してという印象があったがそれは上官や将校の命令であったこと。それが優秀なパイロットや機体を一度に失う愚かな作戦であること。死んだことになっている佐々木氏を殺すということまで計画されていたこと。その作戦を決めた将校たちの多くは早々と引き上げていたことなど、読んでゆくうちにあまりの理不尽さに怒りが湧いてきた。2018/01/05
桜父
200
鴻上尚史さんは初めて読む作家さんでした。特攻=死の命令を9回も反抗し、生き残った「佐々木友次」さんの半生とインタビュー。戦争当時の軍の無能さと愚かさを良く書いてくれたと思います。軍の派閥争いで、嫌いだからと、海軍に陸軍の司令官を送る等、負けて当然の行いをしていた軍は改めて負けて良かったと思いました。若い兵士を死に追いやって、命令した上官が生き残る理不尽さを想うとやり切れない思いがいっぱいになります。この佐々木友次さんを題材にした小説「青空に飛ぶ」も読みたいと思います。2018/04/13
hatayan
199
偶然と運が重なって生き延びた元特攻兵・佐々木友次さんの半生を本人への聞き取りも含め収録。 「大切なのは死ぬことでなく敵に損害を与えること」を知っていた先輩の言葉。日露戦争から生還した父の「人間は容易に死ぬものじゃない」という言葉。それらが生きて帰るという信念を佐々木さんの中で確かなものにしました。 後半は、公式の特攻の記録が命令した側の視点で書かれており、特攻兵の苦悩を記録していないのではないかと疑義を呈します。 この本の参照元となった髙木俊朗『陸軍特別攻撃隊』は全3巻で2018年に復刊しています。2019/05/19
ちくわ
171
日本が惨敗した太平洋戦争の断片を掘り下げた話である。自分の愛読書である『失敗の本質』はあの戦争をマス視点で捉えているが、本書は割とミクロな視点である。だがあの戦争の象徴的な視点とも思える。率直な感想だが、生きては戻れぬ捨て身の出撃なのに想像よりも淡々と話が進む。我々はエンタメに毒され過ぎて、激烈なドンパチでしか満足出来ない身体になってるのかも?と考えてしまった。人の命が軽かった時代、同調圧力が強かった時代…今は随分と変わったなぁ…と一瞬思ったが、状況次第では直ぐにでもあの頃に戻ってしまいそうな怖さはある。2026/08/16
tamagotree
151
本書の大部分を占める、死ななかった特攻兵の物語と、最後に書かれる筆者の特攻に関しての見解。その見解を突き付けられた時、急に、考えるのが億劫になるというか。やはり、戦争について真っ向から考えるのは、重たい。気力の充実が必要。(図)2019/04/30




