母親の孤独から回復する 虐待のグループワーク実践に学ぶ

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母親の孤独から回復する 虐待のグループワーク実践に学ぶ

  • 著者名:村上靖彦【著】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 講談社(2017/11発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062586658

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内容説明

増加の一途をたどる子どもへの「虐待」。気づいたら子どもを叩いてしまう、叩いてしまう自分を抑えられない……。そんな母親は、自分も子どもの頃に母親から叩かれたことに気づけず、不安と孤独の中にいる。「MY TREE ペアレンツ・プログラム」での実例を紹介しながら、「独り」から始めて自分を取り戻すための道を探っていく本書は、人知れず苦しんでいる母親たちにヒントを贈りたい、という思いとともに書かれた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ポカホンタス

6
すばらしい内容。虐待のグループワークの様子が、淡々とした筆致で記述される。情緒に訴える部分は少なく、グループワーク参加者たちの語りを中心に、彼らの体験している世界の構造を描出することが目指される。激しく厳しい虐待の現実に対して周囲はどうしても過剰に反応してしまいがちになるが、それによって目を曇らせないような、静寂の場所から記述されている。しかし冷たい記述ではない。記述によるホールディング、とでも言えそうな息遣いがある。文章それ自体がひとつのワークとなっていて、読むたびに発見がある。2017/11/23

saiikitogohu

1
「三人目のXさんが性被害を語ったことがきっかけとなって、…重篤な虐待の被害をめぐる語りが何人かの口から続けて語られた回だった。…ファシリテーターのゆうこさんは次のように…『Xさんのお話も、ほんとに今までたどってきたことをみんなに聴いてもらえるって信頼して言ってくださっていますよね…みんなで力を蓄えていこうね』大事なことは理不尽な生活環境とDVや性被害に関わる内容をグループの中で受け止められるものとして聴き届け、かつグループのメンバー全員によるホールディングによって支えられるようにコメントすること」(47)2018/10/25

綾紗

1
虐待をする母親は、孤独であったり生活に不安があったりなどの問題を抱えている場合が多く、自らも虐待を受けていた過去を抱えている例も少なくない。そんな母親たちが、それぞれ完全匿名制のグループワークに通って、自らの痛みを吐き出し、向き合い、相手の話をただ聴いて受け止める事で状況の回復をはかる。グループワークと言う手段で虐待を打開する事を検討している人には、こう言うグループもあり、グループワークで吐き出す事や受け止め受け止められる利点を詳しく紹介してあるので参考になると思う。語り口調は若干読みづらさがある。2018/05/13

takuyak56

0
筆者の前作にも感じたが、当事者たち自身の声、語りの強さに胸を打たれる。これに対し、あえてそうしているのだろうが、筆者の声(理論)はシンプルである。「偶然の出来事をポジティブなチャンスとして受けとめて状況の変化につなげる力」(110)を誰もが潜在的に持っている。これが身体感覚を変化させ、他者関係を変化させる。これを自己から外部に向けて水平に広がる力だとすると、筆者は、結論部の最終2頁において、母親と子どものあいだにあるいわば「垂直」の力に気付く。この論点は筆者の今後の理論的軸になるかと思う。2018/06/20

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