集英社学芸単行本<br> だから、居場所が欲しかった。バンコク、コールセンターで働く日本人

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集英社学芸単行本
だから、居場所が欲しかった。バンコク、コールセンターで働く日本人

  • 著者名:水谷竹秀【著】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 集英社(2017/11発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087816334

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内容説明

「お電話ありがとうございます。○○社の△△です。ご注文ですか?」陽光溢れる、東南アジアのタイ、バンコク。高層ビルの一角にあるコールセンターでひたすら電話を受ける日本人がいる。非正規労働者、借金苦から夜逃げした者、風俗にハマって妊娠した女、LGBTの男女……。生きづらい日本を離れ、彼らが求めたのは自分の「居場所」。フィリピン在住の開高健ノンフィクション賞作家が現代日本の現実をあぶりだす問題作。【目次】プロローグ/第一章 非正規の「居場所」/第二章 一家夜逃げ/第三章 明暗/第四章 男にハマる女たち/第五章 日陰の存在/エピローグ

目次

【目次】プロローグ
第一章 非正規の「居場所」
第二章 一家夜逃げ
第三章 明暗
第四章 男にハマる女たち
第五章 日陰の存在
エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雪風のねこ@(=´ω`=)

138
居場所とは自他の愛情のバランスが取れている場所なんだと思う。もっとも愛情の形は人それぞれである。その形成には親の因るものであり、マクロの視点から言えば国の地勢、気候、風習、習慣、道徳観、そしてまたそれらを古くから受け継いできた知恵、教えとしての宗教観である。著書に登場する人物は(先天的な性癖もあろうが)幼少時にその愛情が歪であった事に起因している。社会を形成するには秩序と理性が必要だが、それに関係なく人は心で、感情で行動するものである。国の違いに関係ない点が印象的だ。(続く)2017/12/16

えちぜんや よーた

119
国内にいても息苦しいことは重々分かっていることだけど、海外から見たらさらに日本の社会は息苦しい社会であることががよくわかる。何のスキルもなくバンコクで働くことはいかにも「都落ち」しているように見える。だが問題なのは「都落ち」している人ではなく、「都落ち」させている不寛容な社会の方だろう。本書を読んでいるといたることろに、「正社員」・「非正規」・「派遣」などというレッテル貼りのような単語が散見される。身分差別が当たり前の江戸時代じゃあるまいし、「そりゃタイの方が生きやすさを感じるよな」と思った。2017/11/27

sayan

74
ある書籍に登場する「非場」。自身の立場や生き方、意見を表明する「基盤」となる場所が「ない」という意味の造語だ。本書タイトルの「居場所」は物理的・心理的な拠り所という意味合いかな。非場の対義語に近い単語かなと思う。群像小説さながらの多様な生き方と各人の想いが生々しく1ページ1ページに映し出され、読者に飛び込んでくる。読後感はあまり良いものではない。居場所は、ここかあそこか、と二者択一も非現実的な気がする。自分の様々な生き方にあった部分的な居場所が「あちら・こちら」にある、というのが個人的な理想だ。2019/05/02

どんぐり

73
『日本を捨てた男たち:フィリピンに生きる』に次いで、2冊目の水谷本。今度は、タイに行き着いた日本人のルポ。日本でできることがなかった人がタイへ渡り、タイでできる仕事がないから日本人相手のコールセンターで働いているという人たちだ。なんということはない、非正規が場所を変えただけのこと。タイにいても自分の売りになるものがない若者、日本に居づらくなって夜逃げした一家、ゴーゴーボーイにハマる女性やLTBGの人たち、とさまざまな人たちが登場するけれど、ネガティブな人生に彩られていてなんら共感するものがない。2018/08/26

こばまり

58
飛び出してみたとて閉塞感が解消されるとは限らない。理由は即ちタイトルに帰結すると筆者。同情一辺倒のスタンスではないとしながらも、国内で困窮すると社会の責任が問われ海外だと自己責任とされる傾向があるとの指摘は言い得て妙。2021/02/10

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