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内容説明
湯川と朝永の嫉妬と友情、川端受賞の陰にあった、谷崎や三島の名前、繰り返される日本メディアの「ハルキ狂想曲」。科学を愛し平和を希求した、偏屈者の発明家・ノーベルの命日、最高に権威ある賞が、物理、化学、医学、文学、経済、平和貢献で功績を挙げた人々や団体に授与される。だが、賞の舞台裏は思いのほか取り散らかっている。ノーベルが遺言した「人種・国籍を超えた人類への貢献」という理想とは裏腹に、国家や著名大学の名誉欲が交差し、政治利用も見え隠れする現実。多くの関係者の証言を聞き、無数の資料をめくった記者たちの、ノーベル賞取材の集大成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
28
ノーベル賞をこれ程崇め拝む国民は日本人だけ。毎年12月10日は日本からきた報道陣でごった返す。オバマにノーベル平和賞って何かの間違いでしょ!実はスエーデンとノルウエイは武器輸出国。50年後の文書公開で川端康成と谷崎潤一郎はどちらも受賞の可能性あったが、谷崎は亡くなり川端に。その頃はアジアに贈ることと日本政府の後押しで政治的な動きもあった。ノーベル自身は医者と弁護士を嫌っていたらしい。医者は「専門バカ」・弁護士は「法律上の手続きを食い物にした寄生虫」と。文学賞はあってよかったけど、数学賞もあったらよかった。2018/10/07
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17
「文学賞選考委員(の夫)のセクハラ問題」「トランプ大統領に平和賞!?」という2つのトピックが話題の、ホットな時期に読めてよかった▼平和賞のみノルウェーで決める理由が、意外と曖昧で拍子抜けした▼オルハン・パムクとカズオ・イシグロは、どこかのタイミングで読まねば!と思わされた▼「日本のメディアが、ノーベル賞をオリンピックにしてしまった」という関係者の指摘が、ちょっと痛い。2018/06/10
ヤギ郎
9
ノーベル賞受賞者が決まるまでの舞台裏を取材した一冊。ノーベル賞の抱える問題や,選考委員の未来に対する思いがつらつらと書かれている。考えてみると,ノーベル賞受賞者に権威があるからという理由で,専門以外の事を質問するのはおかしな話だ。この本は,ノーベル賞が生み出す幻想を上手く指摘している。2018/03/20
Humbaba
7
ノーベル賞は個人に送られる賞であって、所属する国に対してのものではない。寧ろ、そこからは積極的に遠ざけて、国の影響をなくすことが重要であると考えている。そのような空気は本部に近い場所にいる人には容易に感じ取れても、遠くにいる人には切実さが殆ど伝わってこない。2018/01/23
乱読家 護る会支持!
5
「ガンの原因は寄生虫」「ロボトミー手術」の提唱者の受賞、核を放棄しなかったオバマ、核の密約を交わしていた佐藤栄作など、疑問符がつくノーベル賞。左翼と思われて(なんで?)、賞を川端康成に取られた三島由紀夫。毎回、日本で根拠無く盛り上がる「(村上)ハルキ狂想曲」。。。 定性的な人による評価でしか決定出来ないノーベル賞。権威になればなるほど裏で様々な動きを産み、政治利用される。先日は、トランプ大統領も目がくらみそうになったばかり。オリンピック同様、政治の道具になるだけなら、無くした方がいいんじゃね?2018/05/17
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