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内容説明
一人ひとりの生きる力をサポートするのが教育の使命。その思いのもと、どんな人でも、いつでもどこでも学べるよう改革を進めてきた二人の文部官僚。復古的なナショナリズムと、弱肉強食を放置する市場主義が勢いを増すなかで、加計学園の問題は起きた。この問題を再検証し、生涯学習やゆとり教育、高校無償化、夜間中学など一連の改革をめぐって、とことん語り合う。これからの日本、これからの教育を展望する希望の書である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zero1
38
森友・加計問題で首相に反旗を翻した元文科省事務次官の前川と「ゆとり教育」で批判された寺脇の対談。「面従腹背」をモットーとする前川は「行政がゆがめられた」と批判。教育勅語の復活を狙う動きにも警戒している。一方の寺脇は文科省の先輩。ゆとり教育は「教科書を薄くし過ぎた」と前川に指摘されている。質の低い高校、農業高校の必要性などテーマは多岐にわたる。前川は高校の数学について「必修科目から外したほうがいい」と述べているが、私は反対だ。「分からないから選択に」ではなく、「分かる授業」こそ必要。数学教師に訊きたい。2019/02/05
さきん
23
前川氏のことを良く知らなかったので。良いと思ったことは機会の平等ということで高校生までの授業料を免除すべく仕事をしていること。また、加計学園の獣医学部新設の意義が非常に薄いことは全く同意。足りないのは産業向け獣医であり、主因は労働環境と低い賃金。反対なのは、教育への捉え方。教育自体に何らかの枠に修める機能があるのは明らか。一種の洗脳といってもいい。その意味で官邸の方が国づくりを意識している気がする。2018/10/19
jima
23
前川氏の講演会で購入。寺脇研さんとの対談集。「人間の、人間による、人間のための仕事」「障害者の生涯学習」という考え、いいなぁ。知的障害の場合、高等部止まりで、それらを卒業してから学べる場はほとんど何もない。「健常者には社会教育や生涯学習の場がいろいろ用意されているのと同様に、障害者にも、そうした場を作っていかなければ」という寺脇研さんの指摘。2018/06/15
まさ
17
前川喜平氏と寺脇研氏の対談集。どちらも関心のある方々だったので興味深く読み進めることができました。特に前川氏は昨年お話を聴いたこともあり復習にもなりました。対談集なので軽く…とはならず、ボリュームがあり多岐にわたるため、読み返しながら。教育は50年先、100年先を見据えて取り組んでいかなければ。生涯学習に携わる者としても後押ししていただいたような感じです。2019/01/04
zel
17
話題の前川喜平さんの本。過去になる前によんでおかなくてはと手に取る。今までの教育行政を知った。そして、前川さん、寺脇さんの思い。日本、教育への愛。先のことや国民のことを真摯に考えてるんだなと。どんな考えの人も、どんな立場の人も、国民と日本の未来にむけ、議論し議論し決めていってほしい。2017/11/29