ちくま新書<br> 流罪の日本史

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ちくま新書
流罪の日本史

  • 著者名:渡邊大門【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2017/11発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480069993

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内容説明

日本史上初の流罪は近親相姦の姫、恨みのあまり怨霊になった天皇、親鸞や日蓮の法難、真田昌幸・信繁親子や宇喜多秀家の苦しい流人生活……。流罪は死刑につぐ大罪で、罪状や時代によって、流される場所は細かく規定されていた。誰がどんな罪でどこに流されたか。地位も名誉も財産も剥奪されて遠隔地に追われた罪人と一族は、縁もゆかりもない土地で、どう生き延びたのか。そこには権力闘争や策謀の壮絶なドラマがあった――。古代から近代までの流刑の変遷を辿り、そこに見える刑罰観の変遷を読み解く!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミエル

22
流刑の入門書として最適な印象。1500年に及ぶ流罪の歴史についてのまとめ本と言った趣き、飛鳥奈良時代から明治まで、時代ごとに著名な流人を取り上げ掘り下げ語られている。流刑地が離島だけではなく、陸続きの辺境地や山間部など意外な土地があったとは知らなかった。そもそもは皇家、学者、僧侶などの思想犯や体制側に相反した(真偽は微妙でも)高貴な身分の方々に対する重刑だったものが、時代を経るとカジュアル化なのか共に庶民にも適用された流れが興味深い。島流しは島じゃなかった時代もある、ここが1番の収穫かもしれない。2023/05/31

さとうしん

20
古代から江戸時代までの流罪を通覧。死罪に次ぐ重罪、あるいは死罪を回避するためのものから、権力者の威を示すためのものに変化するなど、位置づけの変遷がうかがえるのが面白い。戦国時代において死罪にするか流罪にするか、流刑者の帰国を許すかは明確な基準が認められないというのは、前近代の刑罰とはどういうものかを暗示するかのようである。終盤の八丈島の宇喜多氏の話も面白く読んだ。2019/07/16

軍縮地球市民shinshin

15
流罪という、あまり類書がないことを扱った書籍。古代から近代の廃止まで扱っている。どうしても史料上の関係から有名人に偏ってしまっているのは仕方ないだろう。宇喜多秀家の事例が詳細に挙げられていいるが、幕末だと黒駒勝蔵とかの島抜けの話とか入れて欲しかった。著者の専門からどうしても中世史がメインになっているのは仕方ないか。2018/01/14

CTC

10
17年ちくま新書。著者は主に西国大名の研究に強みのある文筆家(株式会社歴史と文化の研究所代表、著者Twitterアイコンには驚く。権利は大丈夫か…ホンモノじゃないかも?)。 さて…本邦の流刑の記録は『古事記』にも『日本書紀』にもあり、5世紀から行われていた。こちらから…08年(明41年)現行刑法が施行されるまでの本邦の流罪を概観している。読みどころはやはり宇喜多秀家あたりだと見当を付けていたが(著者には宇喜多氏に関する著作がある)、実際その通りで、明治期までの同家の様子も伺え読み応えがあった。2022/11/23

みこ

9
法令としての流罪の歴史に興味があって読んでみたものの、結局立ち位置としては古代より死罪の一個下というポジションから変化なし。その色合いも犯した罪がそれ相応に重いから、権力者がその示威を示すためと殆ど遜色なし。掴みの近親相姦で流罪!?みたいな驚きの連続を期待していただけに全体としてやや肩透かしの印象。 最後の宇喜多一族の話が良かったことや真田親子の徳川への抵抗の意思への考察などが興味深かっただけに、他の個別の事例をもう少し掘り下げてくれた方が良かったかも。2017/12/16

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