内容説明
8世紀後半、東北地方には蝦夷とよばれる先住民が独自の文化で生活を続けており、そこへ豊かな資源を求めて大和朝廷が侵略を始めていた。東北地方で滅ぼされたアビ一族の生き残りにして鮫狩りの少年アビは、鮫狩りの師匠オンガとともに想い人宇伽の影を求めて故郷へ。そこでアビが見たものは――。戦後児童文学を作り上げてきた著者が遺した感動の大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おはなし会 芽ぶっく
5
読書会【テーマ 子どもも大人もこころふるえる本の持ち寄り】2017/11/28
yamakujira
4
宝亀の乱の前夜、陸奥の不穏な情勢を、単なる反乱じゃない新解釈で楽しませてくれる。故郷を踏んだアビが主人公かと思ったら、呰麻呂が主役だったのか。児童文学らしいけれど、大和朝廷と蝦夷の対立という単純な図式じゃないから、描写が浅く感じることを措けば大人にも読み応えのある物語だな。蝦夷にも、呰麻呂のように朝廷との対立を納めようとする者もあれば、モレのように反抗する者もあり、道嶋大楯のように朝廷側で出世を目論む者もいて、好き嫌いはともかく、真綱や灘麿も含めて、それぞれの男たちの信念が熱く伝わる。 (★★★☆☆)2018/06/21
月式
1
いわゆる宝亀の乱の大胆解釈版。武力と移民政策で侵略してくる大和朝廷と独立の為に抵抗する蝦夷との間で共存共栄の道を模索するが結局恋愛脳の伊治呰麻呂メインのお話。もしくはモシリ婆こそが主役かもしれない(ダイライハン的なあれです)2017/10/07
dann_ria358
0
時代物語はあまり得意ではないが、熱が伝わってくる作品。再読して、もっと良さを味わいたい。2018/01/15
一五
0
元児童書らしいが、骨太な作品という感じ。朝廷の東北侵略か、う~。2018/01/12