内容説明
ネットを通じて知り合った老紳士のロイと未亡人のベティ。親睦を深め、共同生活を始めた二人であったが、ロイの目的はベティの財産にあった。彼の正体は、数々の人を陥れてきたベテランの詐欺師だったのである。戦中まで遡って明かされる、詐欺師の生涯とは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
127
裏表紙にある『巧みな心理描写で絶賛された新鋭作家のデビュー作』には少し騙された気もする。老年男女のネットでの出会い。どちらがよりどちらを騙しているのかわからない半分ほどまでは面白い。正体が分かってくるとなかなか複雑な問題をはらみ、これをどうまとめるのかと思っていたら、終わりまでまとまりきっていない気がするのだなあ。訳は非常に読みやすく、この訳者さんはチェックしておこう。2018/01/18
のぶ
72
話の中心となる骨格がはっきりしないので、なかなか物語に集中できない読書となった。老紳士のロイが。インターネットを通じて知り合った未亡人のベティと一緒に暮らすことになる。ロイは詐欺師でベティの財産を奪い取ろうと画策する。ところが内容はどう騙し取るかという事に対しての描写はあまりなく、時代が遡りロイが若い時代からどう生きてきたかにストーリーの多くを割いていた。辛く苦しい時代と本人の生活が現在のロイを作り上げた一人の人生の話と思った方が良かったという印象だった。2018/02/23
NAO
51
老紳士をきどる詐欺師ロイが資産家未亡人ベティを騙そうとしている現代の物語の間に、ロイとベティ二人の過去の物語が挟まれていて、老紳士ロイと未亡人ベティの話はいつしか1938年のドイツの少年少女の一家の話にまで遡っていく。イギリスでの最初の詐欺に始まって、ロイが封印したはずのベルリンでの罪が浮かび上がる構図は、なんともいえない緊迫感にあふれていて、ゾクゾクした。こんなにも悪事を何とも思わない人間がいることに、たまらない気持ちになる。2024/10/26
キムチ
46
ハヤカワミステリだから!という期待に些かずれていた感想。ネット偽装恋愛?のなれの果の詐取の手口が殆ど解らず終い。半ばまではグダグダ感拭えず、時間がナチスに据えられ現在に至る究明が重く暗いだけに、ロイの人格が【かくの如くなった】のはボンヤリ分かった。わたし的に老人のコンゲームを想像していたもので、二種のカラーが織りなされた縮図は読み進めにくかった。ベティがしてやったり感100%で語るパートが女性の立場からしたら共感できる。2019/07/18
星落秋風五丈原
35
詐欺師が女性を騙して金を手に入れようとする現在と、彼がなぜこうした経緯に至ったかという過去が交錯。同情でも呼ぶ腹?と思っていたのですがちょっと違ってましたね。ラストはダメ押しの感も。もうちょっと前に筆を置いても良かったと思います。2017/12/06
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