内容説明
いまや、ビッグデータ時代。ネットショッピングからニュースの閲覧履歴まで、個人特定のリスクが知らぬ間に悪用される時代でもある。個人情報の漏えいよりも恐ろしい、第三者による「プロファイリング(個人分析)」がもたらす「超類型化社会」への問題提起。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koki Miyachi
8
ビッグデータ活用が注目されている中で、そのリスクの問題提起の書である。AIによるビッグデータのプロファイリングで、個人の属性を高い精度で見抜くことができる時代。個人のプライバシーのあり方、AIによる類型化で一方的に決めつけられた信用力スコアから逃げられなくなる、人生のやり直しも困難になるリスクなどが高まっている。不気味な予兆を日々感じていただけに、こうしたリスクを注視する必要性を再認識した。2018/11/27
Kentaro
8
ダイジェスト版からの感想 近年のIoTやビッグデータをもとにしたAIによる相関関係の発見やこれまで考えもしなかったパターン化などICTの進化は目覚ましい。一方で中国のアリババのように過去のインターネットでの取引記録から与信管理に発展し、一度代金出入金トラブルを起こしてしまうと、そのユーザーは以降、電子決済が行えなくなってしまうかもしれない。 パーソナライズやプロファイリングの技術も全てが事実で出来ているのではなく、類推を含む。 こういった中で本当に安全安心に個人データをどう活用されるかを考える時期である。2018/03/04
ロラン
7
法律の観点から書かれたAI本です。著者は法科大学院教授で、総務省の委員などもお務めになったようです。朝日新書など普段は手に取らない私ですが、AIへの問題関心から手に取りました。著者は、AIを用いたプロファイリング・システムを個人の精神的自由への重大な脅威であると考えておられます。中国のアリペイによる信用情報など、すでにその域に達しており、中国同様に「憲法がない」日本においては、欧米のような法整備がされていない現状に、警鐘が鳴らされます。その主旨には大いに首肯できるものがあります。2019/10/14
Yuichi Tomita
7
憲法学者が、ビッグデータ及びそれに基づく分析によってプライバシー権が脅威にさらされることを説く本。筆者はビッグデータの有用性を認めた上で、その恐ろしさを知る必要があると説く。そこでの判断基準は憲法であるとするが、憲法自体も曖昧な規範であって、これから議論を行っていく必要があると思う。プロファイルを拒否する権利や忘れられる権利など、つくづくEUのGDPRは進んでいると感じた。2019/03/26
figaro
6
ビッグデータによるプロファイリングが恐ろしい結果を生むことについては、ふつうのデータの寄せ集めがセンシティブな個人情報の析出に繋がるなど、説得力のある実例が示されている。特に、再犯予測において、ただ黒人であるというだけで再犯リスク2倍と判定され、仮釈放が遅れたという実例は、統計的差別の事例としても面白い。ただ、筆者が繰り返す、過度のセグメント化に対する本当の私とのギャップが何を意味するのか不明である。「データ的にはあなたってこうよ」という観測に対して、「本当の私」は違うという場合の「本当の私」って何?2019/08/22
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