幸運な男――伊藤智仁 悲運のエースの幸福な人生

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幸運な男――伊藤智仁 悲運のエースの幸福な人生

  • 著者名:長谷川晶一
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • インプレス(2017/11発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
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  • ISBN:9784295002420

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内容説明

1993年、あの松井秀喜を抑えて新人王に輝いた元ヤクルトスワローズ伝説の投手・伊藤智仁。名捕手・古田敦也に「直角に曲がる」と言わしめ、名将・野村克也でさえも「私が見た中でナンバーワン」と感嘆した“高速スライダー”を武器に、プロ野球界を席巻した。そんな鮮烈デビューを果たした伊藤だが、その後はたび重なる故障に見舞われ、長期離脱を余儀なくされる。過酷なリハビリに打ち克ち、一度はカムバックを果たしたものの、伊藤の右腕は再び悲鳴を上げる・・・。その後も復活をめざし懸命なリハビリを続けたが、とうとう神宮のマウンドに戻ることはできず、03年に現役引退。世間からは「悲運のエース」と呼ばれた。しかし、伊藤智仁は「悲運」ではなかった―。三十数時間に及ぶ伊藤智仁本人へのロングインタビューを軸に、野村克也、古田敦也、岡林洋一、石井一久、館山昌平、米野智人、松谷秀幸、由規、篠塚和典、立浪和義ら当時のチームメイトや対戦相手、さらにはアマチュア時代の恩師や家族など、総勢20名以上の関係者が今まで明かされることのなかった真実を語る。今もなお、野球ファンの心に深く刻まれている伊藤智仁。その半生を、93年のデビュー戦から17年の「最後の一日」までを見届けた作家の長谷川晶一が書き下ろす、渾身のノンフィクション作品。

目次

表紙
目次
序章 偽りの引退
第1章 萌芽―1993年・ユマキャンプ
第2章 覚醒―強心臓ルーキーデビュー
第3章 脱皮―高速スライダーができるまで
第4章 飛躍―バルセロナ五輪出場
第5章 酷使―6月の全694球
第6章 暗闇―長引くリハビリ
第7章 復活―カムバック賞獲得
第8章 異変―再びの手術
第9章 岐路―1年間の執行猶予
第10章 転身―第二の人生の始まり
第11章 奮闘―それぞれの、それから
第12章 幸運―彼は本当に「悲運」なのか?
終章 最後の一日
あとがき
伊藤智仁 全登板成績
奥付

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ニッポニア

56
どこか華がある、その物語は面白い。チームメイトとの絆、古田の視点が、優しい。よく見ている。その選手の状態をいかに把握するか、チームとしての力なんだろうな、と思う。巨人、篠塚との心理戦は息を飲んだ。安打製造職人たる所以だなあ。以下メモ。復帰を目指してナックルを投げ続ける。最後までマウンドに立つプロ意識。教える喜びと成長を見守る喜び。2022/11/26

Y2K☮

32
藤川球児と同じくらい夢中になった選手。糸を引くストレートと高速スライダーで奪三振ショーを繰り広げた1年目の酷使が思っていた以上に凄い。193球投げて中4日とか。そりゃ壊れる。ただ伊藤さんは野村監督に対しても言うべきことは言うが故障に関しては誰のことも責めていない。社会人時代の給料の話やヤクルト入団の経緯も含め、地に足の着いた反骨心と自己責任の矜持が心地いい。97年にクローザーで復活して心底嬉しかったのを思い出した。あと美談バイアスを排除して事実を浮き彫りにしているのは著者の誠実さの表れ。大切にしたい一冊。2021/09/19

たらお

23
あ~これ好きな本だ。選手名が懐かしすぎる。93年は前年スワローズが西武と日本シリーズでの激闘で優勝を逃し、再び挑むシーズンなのだが、ルーキー伊藤智が前半戦を7勝2敗と活躍する。しかし、ひじを壊し、投球できぬ日々が3年続き、カムバックするが再び故障して実働7年で引退をするのだ。代名詞「高速スライダー」は当時はもう大絶賛だった。改めて振り返ると中4日で投げさせていたのは過酷。本書最後に出てくるマツコ有吉の怒り新党での新三大伊藤智の記憶に残る投球についての詳細も、これまた当時見ていた神回であり、書き方が上手い。2021/12/07

katoyann

19
現在、東京ヤクルトスワローズの投手コーチを務め、現役時代はスワローズで野村克也監督のもと、「高速スライダー」の異名を持つ、大きく曲がるスライダーを武器に活躍した伊藤智仁のドキュメント。肩から肩甲骨周りの関節が柔軟であり、それが大きく曲がるスライダーを生み出す武器になったが、諸刃の剣でもあり、肘や肩を壊す原因ともなった。丹念なインタビューからは飾らない人柄が浮かび出てくる。通算37勝は少ないと思うが、巨人戦の16奪三振も含め、記憶に残るピッチングが多い投手だった。生育歴も含め読み応えがあった。名文である。2024/01/10

フロム

11
著者自身のプレッシャーとやりがいがとヒシヒシと伝わってくる力作。恐らくではあるが当初のタイトルは「悲運のエース」あたりだったのではなかろうか?ただ本人と周りの人間のインタビューを進めるうちに伊藤の余りの悲壮感の無さと周りの伊藤評に影響を受けてタイトル変更をしたそんな印象を受ける。伊藤智仁と言う人間が過不足無く伝わってくる。そんな本だと思う。2018/02/15

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