内容説明
司書を勤める孝平は追い詰められていた。図書室だよりへ載せた書評が大炎上、廃刊の危機に晒されたのだ。そこへ当の作家・香耶が学校を訪れる。甘く懐かしい空気を纏う彼女は誰なのか?孝平は徐々に惹かれ始めるが…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
彩灯尋
12
王道。主人公が教師になった現在と、自分の中学時代にあった図書館での出会いの思い出とを交互に見せながら進んでいく。特に大きな盛り上がりもなかったが、現在と過去を交互に見せながら進むエモさのある空気感は嫌いじゃなかった。主人公の考え方の「読書とは書き手と読み手の対話である」という考え方は意識していきたい。面白かった本でも批判を見ていると正しいように思えてくる、は結構わかるな…自分で感じたことをきちんと表に出していけるようにしたい。2022/10/17
た〜
12
大晦日に家で第九の演奏会を見ていたら呼び鈴が鳴り、玄関を開けるとベートーヴェンが立っていたかのような話。面白いのだけれど、主人公がなんで気付かないのかが不思議でならない。ヒロインに目を向けさせるために必要とはいえ、片田舎の中学校の図書室だよりが派手に炎上なんてあるのだろうか、などいささか違和感がつきまとう。それと、女子生徒にもう少し存在意義を与えてあげて欲しかった。最後の魔法使いが作家な所はちょっとニヤリ2019/08/30
sakadonohito
10
後悔を乗り越える話。途中でこうかな?と思っていたら「そっちか!」となった。煮え切らない感じだったけどこれはこれでまぁ。2023/03/27
ニゴディー
10
文章も悪くないと思ったし途中まではそれなりに楽しめた。 ある程度想像がつくような段階になってもさらに引っ張った割にはひねりのない展開だったのは残念。 2021/01/11
つくし
9
少し背伸びをした恋愛小説という印象。登場人物に作家がいるので、話中話(設定のみの場合も)があり、それと回想によってメインストーリーが彩られていました。ストーリー自体は王道なのだろうけど、全体に漂う優しさとこそばゆい感じが心地よかったです。2018/09/12