内容説明
食品加工工場に勤める、負け組の4人。人材派遣会社社長の娘を誘拐して、彼らが求めたものとは? リーダビリティ抜群の社会派ミステリー、著者の最高傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
122
どんな理由が有ろうとも誘拐はダメでしょう。と、思いつつも大門作家だものそれだけじゃないと読むが、ん~ん、どうだろ・・現実は貧富の二極化が進む社会。ここの原沢社長の考えまでとは言わないが、近い考えはあるだろうな。方や生活困窮者の自立を支援する妻・嶺花。始まりはこの二人が過去に起こした事故から始まっていたのだ。あの時お金でもみ消さなければ、正直に謝っていれば・・反撃のスイッチは誰もが持っている、どんな形かは別にして。押すか否か・・押すなら額に汗する自分の明日の為に押してほしいな。2017/12/04
タイ子
71
大門さんが書けばこんな誘拐劇になるんだ。富裕層を憎む生活困窮者の4人が仕掛けた女児の誘拐。身代金400円。この値段には意味があり、誘拐を仕掛けたリーダーにも理由があった。そこから始まる被害者と加害者の駆け引きと、明らかになる意外な事実。スピードアップしながら読ませて、一度は決着を見たかと思いきや、まだまだ終わってはおりませんでした。いやいや、そこまで期待を持たせたんだから最後までスッキリさせましょうよ。この母親がようわからん!ラストまで強引に持って行き過ぎた?!2019/07/31
takaC
57
分かりやすい話かと思って読み進めたが難解だった。2018/10/06
myc0
30
講談社の献本で当たった本。そして長く続いた読書スランプを打破してくた本。とっても面白かったー!手に汗を握りながらの一気読み。はらはらしました!それぞれの理由で社会的弱者となった4人が、自身を雇用する派遣会社の社長令嬢を誘拐する。なぜ誘拐を起こしたのか?目的は?身代金は?色々な謎がばかり。面白い終わり方ではなかったけれど、これも1つの形としてありなのかなと思った。2017/12/22
まぁし
27
普通の生活もままならない負け組が人生の成功者である勝ち組に反撃する、構図としてはシンプルですが、エンタメ感もあり、クライムサスペンスの緊張感もあり、紆余曲折二転三転する展開も面白かったです。おそらく誘拐犯罪史上聞いたこともない身代金(それが後々肝になるのですが)と、動機には身につまされる思いでした。このご時世、一度レッテルを貼られるとそれを覆すのはなかなか難しいですが、人が人として当たり前に、普通の生活を送れる社会になるように願うばかりです。2023/07/07