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内容説明
格差社会の中で、自分には生きる価値がないと思わされている人たちが増えている。上司からパワハラをされ、うつ病や自殺に追い込まれる若者もいる。そして、一部の勝ち組だけが、大きな顔をしている。本書は、諏訪中央病院での地域医療や東日本大震災の被災地支援、ベラルーシやイラクにおける国際支援を通じて、長年、限界状況に置かれた人々の病苦にむきあってきた鎌田医師が、混迷の時代に、ますます見えにくくなってきた「人間」を、根底から問い直した一冊である。――著者が提示する、人間の値打ちを決める七つの「カタマリ」とは何か? 【目次】はじめに――「値打ち」ってなんだろう/第一章 人間の「値段」と「価値」について/第二章 「働くこと」「愛すること」と「生きる価値」/第三章 困難なときに現れる人間の「値打ち」/第四章 人間の「価値」ってなんだろう/第五章 自分の「価値」を決められるのは人間だけ/おわりに――生きている限り、手遅れはない/参考文献
目次
はじめに――「値打ち」ってなんだろう
第一章 人間の「値段」と「価値」について
第二章 「働くこと」「愛すること」と「生きる価値」
第三章 困難なときに現れる人間の「値打ち」
第四章 人間の「価値」ってなんだろう
第五章 自分の「価値」を決められるのは人間だけ
おわりに――生きている限り、手遅れはない
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
209
体験や、名言や、元気が湧いてくるエッセイ集が多い「鎌田本」。今回も、ピカソのゲルニカにまつわる”こぼれ話”が面白かった。ゲルニカに組み込まれている「泣く女」に注目。「泣く女」とは、作者であるピカソが傷つけた元妻の象徴で、ドイツの無差別爆撃に対する非難だけでなく、自分を含めたすべての人間が持っている残忍性を巨大なキャンバスに描き切った作品だった。読むたびに思わぬ発見がある、鎌田實は、侮れない。2022/08/09
Roko
32
他人を力で抑え込もうとする人がいるのと同時に、自分自身を必要以上に卑下してしまう人も大勢います。人間としての尊厳を感じることなく生きてきてしまったのかなぁ。どんな人にも、それぞれの価値があるはずなのだけれど。 子どもの頃のクラスメートのことを思い出すと、みんなそれぞれに良いところがありました。いなくていい子なんていませんでした。 他人の良い面に気づくこと、自分の良い面に気づくこと、世界の良い面に気づくこと、それは全部同じことのはず。この本を読んでそう感じました。2022/12/14
BluePlanet
13
★4.9 2017年10月22日発行。人間の値打ちについて、様々な実例から人間の値打ちを考えるヒントを提供。そして自分が存在している意味や意義を読者に考えさせる。そもそも著者の経歴には驚きだ。1歳で両親に捨てられ、養父母に育てられる。18歳の時に大学に行って医者になりたいと義父に頼むも、「貧乏人は働け」と一蹴され、義父の首に手をかけ危うく殺すことに。それにしても著者のその後の行動力には感心してしまう。地域医療に取り組むだけではなく、被災地支援、ベラルーシやイラクの人道支援等まさに現代の神のような存在だ。2018/01/06
がぁ
10
鎌田先生のなさっていることには敬服しているし、その生き方も尊敬しているが、この本に書かれていることには残念ながら寄り添えなかった。どこか上から目線を感じてしまうのだ。私が卑屈なのだろうか。2017/11/29
*
9
メンタリストのダイゴさんも「日本人の脳はセロトニンが少ない」と書いていたが、この本で著者は同じことを、前者よりもやや科学的に書いている。本当だとしたら、遺伝子に負けて流されていくのは嫌かも▼自分の値打ちも人の値打ちも貶めないように。自分だけの正解を探そう。2018/04/05