内容説明
この国の近代を形創った維新の巨人・西郷隆盛の実績を精緻に再検証した
はたして、日本人は彼の人生を正しく記憶していたのだろうか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫
3
学者でも評論家でも作家でもなく、一般の素人歴史家(自称)による著作。後世の通俗的なイメージに異議を申し立て、当時の史料をベースに西郷隆盛の実像を読み解いていこうとする実直で堅実な考証本であります。史料をもとに経過をたどる限り、坂本龍馬を暗殺するような事情も見当たらず、江戸薩摩藩邸の暴発も想定外の出来事だったのに根強く陰謀論が支持されるのは歴史を結果から逆算して理解する弊害だといえるでしょうか? 全体に説得力のある考証の良書でしたが、西南戦争での西郷らしからぬ無策ぶりは著者も持て余したような感じ。星4つ。2024/02/27
やま
2
著者は西郷隆盛に好感を抱いている一方で、史料に基づき公平な評価をしようと努めているのがわかる。考察のバランスが取れた良書。2018/08/28