内容説明
心が柔らかくなる、あやかしエンタメ開幕!
愉しく読めて、ままならぬ浮き世も楽になる。
これぞあやかしエンタメの隠し玉!
――高田郁さん(作家)推薦!
「あんた、迷いを晴らしたいんだろ。いくら出せるかね?」
●第一話 みれん玉
おみつは、三味線の稽古場で出会った京さんに惹かれている。京さんからもらったかんざしをなくしてしまったおみつは、占い老婆から「えにし玉」を渡される。
●第二話 やっかい玉
おこうは、女主人お種の営む一膳飯屋・亀屋で働いている。浮いた話一つなく暮らすおこうに、占い老婆は「すかれ玉」を手渡す。
●第三話 びびり玉
俵兵衛は、若殿から命じられた難題に、困り果てていた。解決の糸口が見つからないところで、占い老婆に出会い「肝っ玉」を借りる。
●第四話 忘れ玉
正太は小間物屋の一人息子だが、記憶力が良くない。道に迷った正太の前に老婆が現れ、「覚え玉」を差し出す。
●第五話 よくばり玉
団子屋で働きながらつましく暮らすしているトメには、毎日の楽しみがない。そんなある日、占い老婆から持っているだけで飽き飽きするほど金が入り込んでくるという「あきあき玉」を借りた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まさきち
76
本当に読みやすく一気に読了。色々な悩みを抱える人の前に現れる怪しい占い師と白いでっぷりした猫のコンビ。この二人から託された不思議な力を持つ玉を手にした彼らが、今まで抱えていた鬱屈を振り払って一時有頂天になりながら、最後には今まで気づかなかった幸せに気付いていく。読んでいて本当に暖かい気分になる一冊でした。2021/04/25
ゆきちん
49
江戸もののファンタジー。「玉占〜たまうら〜」の行灯を掲げてちんまりゴザに座る小汚い老婆。傍らには丸々と太った猫。壺の中から取り出すのは不思議な縁で結ばれた玉。お話が五つ入っていて、軽く面白く読める。んだけど、地獄からも極楽からも追い出されたというおばばはどうなった?っていうか、物語としての展開は?これは思いっきり続いているのか?続きが出たら読むよー、気になるもの!2018/05/18
カナティ
32
読友さんのオススメで読んでみました。廣嶋さんの「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」が好きならきっとこれも好みのはず。悩みを抱えた者の前に現れる占い師の老婆と太った猫の大福。面白くてスラスラ読めたので続編も読みたいです。2021/03/20
ミーコ
32
初読みの作家さん。図書館のオススメコーナーで見つけて何気に借りたのですが、廣嶋玲子さんっぽい?お話で読みやすく一気に読んでしまいました。この老女と猫は何処から?そして何者? 面白かったです。是非とも続編を読んでみたく思います。2021/02/09
ぽろん
31
サクッと読了。私がおばあさんから玉を貰うとしたら、やっぱり、健康玉が良いな。元気が一番^o^2017/12/05