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内容説明
川越、祇園、白川郷……。不自然なまでに「和風」に統一された風景。その実態は、本当の意味における風景の経験を閉ざす「和風テーマパーク」にすぎない。本書では、「風景を眺めるとは何をすることなのか?」という問いを、西洋精神史をたどりながら、哲学的な観点から考える。美しいだけの絶景を求めていても、風景の秘密には到達できない。風景に出会い、風景の秘密に到達する道をひらく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
scatterbrain
1
興味深い良書でした。「和風テーマパーク化」に見られる支配的な風景観の成立について、ピクチャレスクという概念、「絶景の美学」やその批判などの変遷を示し、風景とは、風景を見ることとは何かを探る。ただ、風景を「地平だったもの」と定義した部分までは腑に落ちたが、その風景を無心で眺めること=私という存在の根源への帰還…は、何度読み直しても理解できなかった。著者なり和辻なりフッサールなりのメタ認知能力が過ぎるのでは。次に"風景"に出くわした時、あぁいま自分の存在の根源に回帰してるわぁって思えるか確認してみます2021/09/18
いなり
1
風景の概念がイギリスのグランドツアーが契機の作られた風景画にはじまり、風景式庭園、そこから実際の景色から風景画を切り抜く旅へとなって行く過程が理解できた。 本の帯に書いてあるなぜ美しい景色にスマホのレンズを向けるのかと言う問いに対する記述がないのは残念。2021/04/14
yokkoishotaro
1
面白かった。何が風景か。とても面白い話だった。風景が開発なのでガラリと変わることに嫌悪を示すことがどいうことなのか、インスタ映えする風景など示唆に富む話だった。2018/03/15
ますたけ
0
既視感2018/08/29