内容説明
1912年1月、南京で中華民国臨時政府が成立し、孫文が臨時大総統に就任。翌月には宣統帝が退位し、清朝が滅亡した。新生「中華民国」はこうして産声を上げたが、その後の歩みは“平坦でない”どころではなく、各地の軍閥が権謀術数をめぐらせ混沌をきわめた。
本書のねらいは、これまで注目されることのなかった「軍閥とその時代」を再構築することである。扱うのは、国家の統合が壊れた袁世凱統治の末期から、蒋介石が全中国を統一するまでの軍閥混戦の時代(1915-28年)だ。主役級の袁世凱、段祺瑞、孫文、蒋介石、張作霖のほか、徐樹錚、馮国璋、呉佩孚、馮玉祥ら、数多の群雄が三国志さながらの激しい攻防を繰り広げた時代である。
この時期、中国で覇権争いをしていたのは軍閥ばかりではない。列強諸国、なかでも大陸進出をねらっていた日本と、革命の輸出をもくろんでいたソ連の影響は大きく、軍閥とこれら国外勢力との間で展開した駆け引きの様子が詳しく描かれる。
本書は、今世紀に入って中国で相次いで発表された、革命史観にとらわれない文献をもとに、こうした軍閥の動きを丁寧に追い、複雑にからみ合った勢力関係のひもを解きながら、中国史のなかに軍閥を位置づける試みである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
フンフン
8
私は日中戦争関連の文献はほとんど読んでしまったが、軍閥時代をこれほど詳しく描いているのは初めて読んだ。筆者自身がいくら探してもないから自分で書こうと思ったと言っている通りである。しかも文章がうまい! 講談を聞いているような感じでぐいぐい引き込まれる。2025/04/08
若黎
8
清末から張作霖爆殺までの未知の中国史がわかりやすい本に出会ったと感じました。2024/09/15
筑紫の國造
8
まだ中国が統一される前から蒋介石による一応の北伐完了、そして張作霖爆殺までをドキュメント風に描いた大著にして良書。帯に「まるで三国志」とあるが、その煽りに嘘はなかった。軍閥から皇帝に成り上がった袁世凱を皮切りに、袁の配下でありなが皇帝即位に反対した実力者段祺瑞、その段に仕えて「小諸葛」の異名をとった天才軍師徐樹錚、名将呉佩孚、東北王に成り上がった張作霖…。人物はいずれも魅力的で、精彩に富んでいる。ただし、時折触れられる庶民の被害はあまりにも悲惨である。特に、共産党の煽動下での暴動は常軌を逸している。2022/07/08
BLACK無糖好き
8
清朝後の中華民国の歴史。軍閥が群雄割拠していた時代。袁世凱、段祺瑞、呉佩孚、張作霖、馮玉祥、汪兆銘、孫文、蒋介石。この時代を通しで記述した史書は珍しいようで、全体の流れを把握するのに役立つばかりか、臨場感溢れる物語風に書かれており、特に蒋介石率いる国民革命軍の北伐の様子はとても惹きつけられました。ただ、馴染みのない人達も大勢登場し、中国名特有の名前の読みが覚えられず途中でついていけなくなる箇所も多々ありました(^^;;。また、共産党が勢力を広げ始める様子も興味深く描かれています。2015/04/24
フンフン
6
4月に1度読んだ本だが再読。何度読んでもおもしろい。2025/11/06




