内容説明
「自分はイケてる、カッコいい」という気持ちに浸って満足する自己愛(ナル)人間。人に認められたいという願望が肥大して暴走を始めると病的な自己愛になり、周りは振り回される。婚活詐欺殺人の木嶋佳苗、クリントン元米大統領、金正恩朝鮮労働党委員長、三島由紀夫らの自己愛を探り、サイコパス、アスペルガー、いじめなどとの関係を解き、医師、美人、母親の自己愛も考察。自らが病的な自己愛人間にならないためにもおすすめの本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
香菜子(かなこ・Kanako)
29
自己愛的(ナル)な人たち。岡野憲一郎先生の著書。精神的に満たされにくい時代だからこそ、自分を好きになって自分に自信を持つことは大切だけれど、病的なまでに自信過剰なナル人間になってしまっては本末転倒。厚皮ナルシスト、薄皮ナルシストという説明が興味深いです。2019/01/13
るうるう
4
著名人や筆者の知る人、最近話題の人など、実例が多くわかりやすい。一般人よりはるかに優れていたり成功している人の、自己愛的言動を見ていると、人として優れているとはどういうことかと、いささか絶望的になる。/この種の症例(病気・障害・傾向)の本を読んでいると、区分が曖昧で原因も明確ではないので、何を対象にしているのかが時々わからなくなる。人間の脳の機能がもっと明らかになれば、もう少し明快になるのだろうか。また、こういう種類の症状を治療または修正するようになるのだろうか。/自己愛に対する対策は述べられていない。2018/01/12
Yuriko Miyata
3
ナルシシストについて書かれた本。著者の経験や見聞きした事にふまえて、自己愛者について分析されている。「人は誰しもがナルシシズムを持っているが、それが問題となるのは度が過ぎたときである」2018/12/13
たっこ。
3
文章も好きだし中身もいいし、これは久しぶりに没頭しました。2018/06/14
キューネン
2
メンタルヘルスについて、「考え方を変えよう」というような認知行動療法的な精神論が多く推奨される中、「自己愛的(ナル)な人にはダメなことはダメとちゃんと言おう」というような現実的・社会的解決法まで言及されていたのが新鮮だった。この本を読んでから、自己愛的な人に対して、「ああいう人だからしょうがないな」と目を背けてしまうよりは、きちんと言うようになりました。結果として自分はその方が生きるのが楽になりました。